日立ハイテクのマテリアルズ・インフォマティクス(MI)は、AI技術とお客様がお持ちの実験データを駆使して材料開発の効率化を実現。従来の試行錯誤的な開発プロセスを革新し、迅速かつ精度の高い材料探索を可能にします。研究開発のスピードアップとコスト削減を同時に達成し、企業の競争力向上を目指しています。
日立ハイテクのマテリアルズ・インフォマティクス関連ソリューションは、単なるツール提供にとどまりません。
他のMIサービス提供者との大きな違いは、化学や素材のドメイン知識をもつ専門人材やデータサイエンティストによるサポートを受けられることに加え、日立グループが保有する豊富なアセットを活用することで、自社の課題を一括して解決に導けることです。
MIツールを導入することで、お客様がお持ちの分析・計測装置から得られる膨大なデータを基にインフォマティクス技術を活用した分析が可能です。
しかし化学や素材分野では、属人的な開発が行われることが多々あるため、実際にMIを推進するにあたり「データが揃わない」という課題は多くあります。そのような場合、日立ハイテクでは、まずデータ収集を行い、次にMIを活用したデータ利活用と段階的にステップを踏んで導入を進められます。
加えて、日立ハイテクには商社機能があるため、素材の調達から製造、さらには市場投入までのプロセス全体をカバーし、サプライチェーンの上流から下流までを支援しています。
各企業持つさまざまな顧客課題を解決するため、日立グループの技術とノウハウを提供し、2017年から現在までに数百件の成功事例を築いています。
チャレンジングな内容の分析には「材料データ分析支援サービス」を提供。
より難易度の高いデータ分析や、画像分析、テキストマイニングなどを行えます。コンサルティングやセミナーの実施もできるので、分析だけでなく、自社におけるデータサイエンス人材の育成も可能です。
データサイエンティストは素材産業や、日立研究開発部門の出身者などで構成されており、ドメイン知識を活かし、顧客に合わせたサポートをしてくれます。
研究者が自らデータ分析を行えるMIツールで「学習モデル構築、逆分析(最適化)」といった材料開発にマッチしたデータ分析を行うことが可能です。
一般的なExcelデータを用いた分析だけでなく、画像データを用いた分析にも対応しています。電子顕微鏡などから取得された画像データを入力することで「画像に対する良否判別」「画像内の異常部分の定量化」などの分析ができます。
ただ単にツールを提供するだけでなく、「ツールの使い方」「データ分析の進め方」を定期的にコンサルすることも、特徴のひとつです。そのため、データ分析の経験がない方にもおすすめできます。
またご自身でPython等を使って分析される方へPython環境を準備することも可能なため、データ分析の上級者の方にも幅広くご利用いただけます。
日立ハイテクが顧客からデータを預かり、同社のデータサイエンティストがMIを使ったデータ分析を代行する「材料データ分析支援サービス」。
特筆すべきは、日立グループのデータサイエンティストが多彩な経歴を持っており、素材開発の実務に精通している人材も多く保有しています。
そのため、顧客の材料開発や量産設計におけるニーズや課題を的確に把握した、円滑なコミュニケーションが可能です。従来の研究内容と異なる専門的な視点からデータを分析してもらえるため、実験の突破口になるような結果を得られる可能性もあります。
日立ハイテクが提供するツールの中でも、特に注目されるのはAIを用いた化学物質の探索ツール・Chemicals Informatics®(CI)です。
自然言語処理(NLP)技術を用いて、特許や論文などの公開データを解析し、1億1800万個の既知化合物データ抽出しており、さらにあらかじめAIで生成した2040万個の新規化合物を対象にしているので自社のプライベートデータがカバーできていない広範囲な領域の中で化合物の探索が可能です。
80種類以上の特性を対象に、64×64通りの構造を掛け合わせた良特性の化合物や、最大4系統での探索を、1回あたり2~40分で高速に探索できます。
研究期間の初期段階において有望な化合物候補を選定する化合物スクリーニングや、研究開発の方向性を定める特許戦略の立案をサポート。
有機・無機、モノマー・ポリマーを含む幅広い化合物データの中から、既存化合物の延長上にはない化合物や、良特性を得やすい化合物を組み合わせた複合材の探索を網羅的かつ高速で行うことができるのが特徴です。
研究者や企業が材料開発のプロセスにおいて、属人的な方法で記載している実験/研究のデータを統一的なフォーマットで登録・収集することで共有化・一元管理ができる電子実験ノートの機能を含むサービスです。
計測機器から得られるデータを属人的に扱うのではなく、データサイエンスを活用して形式知として整理・解析することで、データの価値を最大限に引き出すことが可能。入力データを分析に適した形式へデータクレンジング・整形できたり、整形したデータを分析用のシステムと連携できることで、実験の無駄を削減し、開発スピードの向上とコスト削減を実現します。また、入力値を値リストで制御し欠損データの発生を回避することも可能です。
巴川コーポレーションは、自社製品の開発スピードと人材育成に関する課題感を持っていました。この課題を解決するために、自社の開発者がマテリアルズ・インフォマティクス(MI)を活用できるよう、日立ハイテクが伴走する提案を採用。
製品開発の経験を持つ日立ハイテクのデータサイエンティストによる分析支援(コンサルティング)と、MIのツールを組み合わせることで、支援を受けた新人開発者は的確な考察を行い、重要な特徴量を導き出すことが可能となりました。
これは日立ハイテクのデータサイエンティストが、MIツールの使い方だけではなく、アルゴリズムの選び方やデータの持ち方など、新人開発者がMIを使いこなせるようになるまで丁寧にレクチャーを行ったことによるものでした。
開発者の育成には、適性がある人でも通常2〜3年の専門教育が必要です。しかし、専門知識を持つデータサイエンティストのサポートにより、製品設計の経験が少ない開発者がわずか数ヶ月でベテランと同等の考察力を持てるようになったのです。
適切にMIを活用することで、経験が少ない開発者でも従来の製品開発と同等の結果をより効率的に導けることを実感した巴川コーポレーション。
日立ハイテクのMI基盤ツールでは、数値データによる順解析・逆解析や、画像分類など幅広い分析が可能です。巴川コーポレーションは分析支援によるコンサルサービスとMIツールを活用しており、データ駆動型の開発を社内でより浸透させることを目指しています。
専門領域を持っているMIベンダーを厳選しました。
自社の研究対象に近しい領域を専門としているMIベンダーの方が、
コミュニケーションにズレがなく、知見や実績も豊富な可能性があります。
化学・素材分野で数多くの開発を成功に導いた実績があります。
日立グループ全体の強みを活かして材料開発を総合的に支援できることから、早期の市場参入を可能にします。
富士通では、創薬に特化したプラットフォームを用意。特許読解、法規制物質チェックにも一貫して対応可能。
特定の材料開発プロセスではなく、創薬研究プロセス全体のDXが叶う点も魅力です。
新しいエネルギー材料の特性を正確に予測する「Mat3ra」(旧Exabyte.io)プラットフォームを提供。
新しいバッテリー材料や軽量合金の開発をスピーディーに進められることが可能です。