マテリアルズインフォマティクス ベンダー特集

マテリアルズインフォマティクス ベンダー特集
高精度なデータ解析で先手の材料開発を支援
【専門領域別】
マテリアルズインフォマティクス
ベンダー特集

研究開発において、競合他社に遅れを取らないためにも導入「すべき」なのが、
マテリアルズインフォマティクス(MI)。MIベンダーによって
対応範囲が異なることや、どのような強みを持つのかはっきりしないことから、
依頼先を選定できずお困りではないでしょうか。このサイトでは、
専門領域を持ち、高精度な解析を実現できるMIベンダーをご紹介します。

REVIEW

マテリアルズ
インフォマティクスとは

マテリアルズ・インフォマティクス(Materials Informatics, MI)は、材料科学におけるデータ科学の応用であり、機械学習や人工知能(AI)を駆使して膨大なデータを解析し、材料の特性や挙動を予測する手法です。従来の試行錯誤に基づく実験に比べ、MIは実験データと計算データを統合し、シミュレーションを活用することで、材料開発プロセスを効率化し、迅速に行います。これにより、開発スピードの向上とコスト削減が可能となり、革新的な材料の発見を促進します。MIを導入することで、データ駆動型のアプローチによる高精度な予測と最適化が実現し、競争力の向上が期待されます。

拡大する世界のマテリアルズ・インフォマティクス市場

マテリアルズ・インフォマティクス市場の図
※1 参照元:矢野経済研究所 マテリアルDXに関する調査を実施
(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2943)を基に作成

MIを導入しやすくなったとはいえ、自社で運用していくには、コストとリソース、時間が必要であり、導入のための投資はある程度の覚悟が必要です。しかしながら、世界のマテリアルズ・インフォマティクスの市場規模は、2023年の1億2,900万米ドルから、2028年までに2億7,600万米ドルに成長すると予測されています(※1)。材料開発の効率化はもちろん、海外では完全自律型研究システムに向けた取り組みもあることから、今後一段とMIを活用した材料開発競争が激化していくことは避けられない情勢です。

いち早く高付加価値で差別化された製品を市場に投入するため、世界中の材料開発を行う企業がしのぎを削る中、日本企業のMIの導入は海外よりも遅れをとっており、データサイエンティストの育成など人材面での教育期間を考慮すると早期MI導入は必須の状況です。

従来型開発
マテリアルズ・インフォマティクス型開発との違い

従来型開発

従来型の材料開発は、主に実験に依存し、新しい材料を開発するために多くの試行錯誤を繰り返し、最適な特性を持つ材料を見つけ出すことが主な手法です。

実験設備や時間、コストが非常に大きくかかり、データの収集や解析は手動で行われることが多く、データの統合や共有が難しいのが現状であり、新材料の開発には長い時間がかかり、開発プロセスが直線的であるため、失敗した場合には再試行が必要です。

マテリアルズ・インフォマティクス型開発

マテリアルズ・インフォマティクス(MI)型開発は、データ主導のアプローチを行い、大量のデータを活用し、材料の特性や挙動を予測することで、効率的に材料開発を進めます。実験と計算を組み合わせて開発を行い、機械学習やAIを活用することで、大量のデータからパターンを見つけ出し、新しい材料の特性を予測して最適な候補を絞り込みます。

データの管理と統合もMI型開発の特徴です。データベースやクラウドを利用してデータを一元管理し、異なる実験や計算結果を簡単に共有できるのが特徴で、開発期間を大幅に短縮し、試行錯誤のプロセスをデジタル上で高速に繰り返すことが可能です。

項目 従来型開発 マテリアルズ・インフォマティクス型開発
開発アプローチ 実験主導 データ主導
データの使い 手動で収集・解析、統合が難しい データベースやクラウドを利用し、一元管理
開発サイクル 長い時間を要する、直線的 予測モデルを用いて短縮、デジタルで高速試行
コスト 高い 効率的で低コスト
失敗時の対応 再試行が必要 デジタル上で高速に修正が可能
機械学習とAIの利用 利用しない 活用して材料特性を予測
実験と計算の関係 実験に依存 実験と計算を組み合わせ
CHECK

マテリアルズ・インフォマティクス
導入にあたり知っておくべきこと

MIの環境導入のコストは決して安価とは言えず、まだまだハードルの高いプラットフォームではありますが、課題を解決できる取り組みが各ベンダーで加速しています。

例えば、材料科学とデータサイエンスの両方に精通した人材の確保では、自社にMIのプラットフォームを設置するのではなく、MIのベンダーに解析を依頼する方法や、データサイエンティストを育成するための教育プログラムによるサポート、質の高いデータを活用するためのデータベースの整備はもちろん、欠損データを補完するサービスなどがあり、MIを導入しやすい環境になっています。ここでは成功事例や導入の流れについて解説します。

マテリアルズ・インフォマティクスの成功事例

従来型の材料開発と比較し大幅な開発期間の短縮ができたMIの事例は国内外問わず多数報告されており、企業の研究開発プロセスを飛躍的に改善し、競争力を高めることができるため、MIを導入する価値は非常に高いといえます。ここでは国内の企業のMIの成功事例をご紹介します。

トヨタ自動車のMI事例

目的 データ解析
対象物 ゴム材料

トヨタ自動車は、大手ゴム工業会社におけるゴムの耐久性能計測を実施しました。スピーディーに大量のデータを得るところまでは可能となったものの、それを効率よく活用するにはどうすれば良いか?との課題をWAVEBASEによって解決しました。

旭化成のMI事例

目的 材料設計
対象物 ウイルス除去フィルター

旭化成においては、自社で開発したウイルス除去フィルター「プラノバ」の新規格「プラノバS20N」の開発にあたり、機械学習を利用したMI実験を実施しました。結果、従来より大幅に時間を短縮してろ過量に対する流速、ろ過時間に対するたんぱく質の処理量を倍増させました。

住友化学のMI事例

目的 材料開発
対象物 耐熱性ポリマー

住友化学は、耐熱性ポリマーを開発する際に100万通り以上も存在すると言われる共重合体のモノマー組成比(量比)を最適化するためにMIを導入しました。これにより、ある程度組み合わせを絞ってから実際に実験し評価する、というスムーズな流れが生まれ、素早く最適解を見つけることができました。

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東レのMI事例

目的 材料開発
対象物 CFRP

東レは、難燃性CFRPの開発期間を削減する解析を実施しました。東北大学から導入した「自己組織化マップ」によるMIと、独自の「マルチスケールシミュレーション(MS)」を統合した「統合型MI」を使用した結果、開発期間の半減を実現しました。

横浜ゴムのMI事例

目的 材料開発
対象物 ゴム

横浜ゴムでは、独自開発のAIを活用したゴムの配合物性値予測システムを用い、タイヤ用ゴムの配合設計を実施しました。膨大な仮想実験が素早く可能となったことで、コスト削減や円滑な商品開発を実現しました。

ENEOSのMI事例

目的 材料開発
対象物 タイヤ用ゴム材料

ENEOSにはカーボンニュートラルの理念に基づき、幅広い状況でMIが活用されている事例が公開されています。タイヤ用ゴム材料の開発においてはMatlantisTM等のシミュレーション技術を用い、原子スケールにまで計算対象領域を拡大することで、より効果的なタイヤの性質向上を図ります。

NECのMI事例

目的 材料開発
対象物 ゴム材料

NECは東北大学材料科学高等研究所(AIMR)と新たな熱電変換デバイスを開発する共同研究の中で、自社開発の「AIによって未知の材料の特性予測を行う新技術」を活用しました。これにより、約1年で熱電変換効率を100倍に向上させました。

サムスン電子のMI事例

目的 材料開発
対象物 固体電解質

アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)との共同研究により、サムスン電子は全固体電池向けの高性能な固体電解質を開発しました。この際にMIを活用したことで、一切実験等を行わず適切な物質を探り当てられ、開発の着手から成果まで約1年という短期間で目的を達成しました。

素材ごとのマテリアルズ・インフォマティクスの研究事例

従来型の材料開発と比較し大幅な開発期間の短縮ができたMIの事例は国内外問わず多数報告されており、企業の研究開発プロセスを飛躍的に改善し、競争力を高めることができるため、MIを導入する価値は非常に高いといえます。ここでは国内の企業のMIの成功事例をご紹介します。

高分子材料のイメージ

小さな分子が数多く繋がって大きな分子になったものを「高分子」と呼び、主にプラスチックや化学繊維などの製造に用いられます。では、この高分子の解析にMIを導入した事例にはどのようなものが存在するのか、詳しく見ていきましょう。

半導体領域のイメージ

近年耳にすることも多い半導体は、ゴムをはじめとする「絶縁体」と金属等電気をよく通す「導体」の中間に位置する材料です。数値計算や情報の記憶を得意とするため電子機器の中心的な役割として活用されますが、これを分析したMI事例にはどのようなものが存在するのでしょうか?

ガラスのイメージ

建築材料としてはもちろん、レンズ等幅広い用途に活用されるガラス。製造する企業もその強度や耐久性、汎用性を高めようと様々な努力を行っていますが、その一環としてMI実験が用いられるケースも少なくありません。ここではその事例について、詳しくご紹介します。

構造用金属材料のイメージ

自動車業界をはじめ、こちらも幅広い用途に使用される金属。材料工学の分野においても強度を高めたり状況に応じた適切な元素を探索したりと常に研究が進められていますが、その中でMIはどのように用いられるのでしょうか?事例を確認してみましょう。

SELECTIONS

専門的な領域に強みを持つ
マテリアルズ・インフォマティクスの
ベンダー3選

専門領域を持っているMIベンダーを厳選しました。
自社の研究対象に近しい領域を専門としているMIベンダーの方が、
コミュニケーションにズレがなく、知見や実績も豊富な可能性があります。

化学・素材メーカーのアイコン
有機・無機化合物の
新素材・製品開発を行う
化学・素材メーカーの相談先

日立ハイテク

「化学・素材」領域に強い理由

化学・素材分野で100社以上200件を超える開発を成功に導いた実績があります。

日立グループ全体の強みを活かして材料開発を総合的に支援できることから、早期の市場参入を可能にします。

製薬会社のアイコン
新薬候補の特定、
毒性予測など研究を行う
製薬会社の相談先

富士通

「創薬」領域に強い理由

富士通では、創薬に特化したプラットフォームを用意。特許読解、法規制物質チェックにも一貫して対応可能。

特定の材料開発プロセスではなく、創薬研究プロセス全体のDXが叶う点も魅力です。

エネルギー企業のアイコン
新エネルギー材料の
発見に注力する
エネルギー企業の相談先

伊藤忠テクノソリューションズ

「エネルギー」領域に強い理由

新しいエネルギー材料の特性を正確に予測する「Mat3ra」(旧Exabyte.io)プラットフォームを提供。

新しいバッテリー材料や軽量合金の開発をスピーディーに進められることが可能です。

DETAIL

マテリアルズ・インフォマティクス ベンダー各社を解説

専門領域に強みを持っているMIベンダーについて、各社の強みを解説します。

化学・素材メーカーのアイコン
有機・無機化合物の
新素材・製品開発を行う
化学・素材メーカー
相談先

日立ハイテク

日立のインフォマティクス技術の図解

日立ハイテクが「化学・素材」領域に強い理由

「日立」の総合力で化学・素材領域の顧客を多数支援

日立グループのアセットを活かして、分析・計測装置からのデータ収集や各素材の調達まで幅広く対応し、化学・素材領域の材料開発を総合的に支援する日立ハイテク。

データ駆動型のマテリアルズ・インフォマティクス(MI)を使った分析を行う前段階として、クライアントの実験環境や目的に応じて、品質の高いデータを収集するサポートから始められます。

単にインフォマティクスのツールを売るだけでなく、段階的なMIの導入や、装置メーカーや商社機能としての強みを活かした課題解決ができることから、2017年から現在まで化学・素材領域において数百件の実績を持っています。

また、素材産業や研究開発部門などバッググラウンドが多様かつ、専門的な知識を持つデータサイエンティストが伴走。適切な化合物を探索するAIツール(Chemicals Informatics)など、日立独自のツールを用いて、化学・素材領域における開発スピードの向上と市場投入の迅速化の実現に寄与しています。

日立ハイテクのマテリアルズ・
インフォマティクスの導入事例

※以下は事例であり、結果を約束するものではありません。

製品設計の最適化に向けた人材育成に
MI技術を活用
(巴川コーポレーション)

巴川コーポレーションは、自社製品の開発スピードと人材育成に関する課題感を持っていました。この課題を解決するために、自社の開発者がマテリアルズ・インフォマティクス(MI)を活用できるよう、日立ハイテクが伴走する提案を採用。

製品開発の経験を持つ日立ハイテクのデータサイエンティストによる分析支援(コンサルティング)と、MIのツールを組み合わせることで、支援を受けた新人開発者は的確な考察を行い、予測や重要な特徴量を導き出すことが可能となりました。

開発者育成には、適性がある人でも通常2〜3年の専門教育が必要です。しかし、データの整理やMIツールの設定に関する専門知識を持つデータサイエンティストのサポートにより、製品設計の経験が少ない開発者がわずか数ヶ月でベテランと同等の考察力を持てるようになっています。

日立ハイテクのマテリアルズ・
インフォマティクス関連の
提供サービス

サービス・サポートのアイコン
材料データ分析環境
提供サービス

研究者自身でデータの分析ができるMIツールで、「学習モデル構築、逆解析(最適化)」といった材料開発にマッチしたデータ分析を行えます。一般的なExcelデータを用いた分析だけではなく、画像データを用いた分析も可能。電子顕微鏡などから取得された画像データを入力することで「画像に対する良否判別」「画像内の異常部分の定量化」などの分析ができます。

ただ単にツールを提供するだけでなく、「ツールの使い方」「データ分析の進め方」を定期的にコンサルするということも、特徴のひとつ。そのため、データ分析経験がない方にも、おすすめのサービスです。

またご自身でPython等を使って分析される方へPython環境を準備することも可能なため、データ分析の上級者の方にも幅広くご利用いただけます。

サービス・サポートのアイコン
材料データ分析支援
サービス

日立ハイテクが顧客からデータを預かり、同社のデータサイエンティストがAIを使ったデータ分析を代行するサービスです。

分析を行うデータサイエンティストは、材料開発や量産設計に精通している人材が多く、顧客のニーズや課題を的確に把握。先端のデータ解析技術を駆使して、テーブル分析だけでなく、テキストマイニングや画像分析の技術を使い、複雑で難易度の高い分析を実施。難しいテーマにおける「次の一手」が明確になります。

サービス・サポートのアイコン
Chemicals Informatics®

狙った特性の特許未取得材料をAIで高速かつ網羅的に探索するマテリアルズ・インフォマティクス技術です。

5,000万件以上の特許や論文などから得られるデータを、自然言語処理(NLP)技術を用いて、蓄積した1億を超える既知化合物データとAIが生成した新規化合物データを抽出して作られた化合物データベースを所有。2,000万組以上の化合物の組み合わせを一括探索し、目標特性に適した化合物を2~40分で探索完了できます。数クリックの操作で網羅性の高い調査が実現可能です。

サービス・サポートのアイコン
実験データ収集
サービス

研究者や企業が材料開発のプロセスにおいて、属人的な方法で記載している実験/研究のデータを統一的なフォーマットで登録・収集することで共有化・一元管理ができる電子実験ノートの機能を含むサービスです。

入力データを分析に適した形式へデータクレンジング・整形できたり、整形したデータを分析用のシステムと連携できたりすることで、実験の無駄を削減し、開発スピードの向上とコスト削減を実現します。

計測機器から得られるデータを属人的に扱うのではなく、データサイエンスを活用して形式知として整理・解析することで、データの価値を最大限に引き出すことが可能。

研究者や企業が材料開発のプロセスにおいて収集したデータを一元管理し、効率的に活用できるサービスです。

日立ハイテクの企業情報

会社名 株式会社 日立ハイテク
本社所在地 東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー
電話番号 03-3504-7111
製薬会社のアイコン
新薬候補の特定、
毒性予測など研究を行う
製薬会社の相談先

富士通

富士通のマテリアルズ・インフォマティクスの図解
参照元:富士通公式HP
(https://www.fujitsu.com/jp/solutions/r-and-d-support/mi/)を基に作成

富士通が「創薬」
領域に強い理由

治験プロトコルの最適化により治験期間を短縮

富士通が提供する「混合物設計ナビ」は、材料の混合成分、比率、製造条件などの膨大なデータセットから、最適な組み合わせを迅速に抽出する高度なアルゴリズムを搭載。このシステムは、従来の実験ベースの試行錯誤を大幅に削減し、創薬プロセスを効率化することで、新薬の開発スピードを飛躍的に向上させています。また、データ駆動型の意思決定をサポートすることで、複数の候補から最適な分子を迅速に選定できる点も特徴です。

創薬の初期段階から臨床試験に至るまでのプロセスを統合的に管理するプラットフォーム「Biodrug Design Accelerator」は、「DMTAサイクル」(設計、製造、試験、解析)を効率的に繰り返すことを可能にします。AIを活用した分子モデリングやシミュレーションを通じて、従来では見逃されがちな有望な候補を発見する機能を持ち、化合物の物理化学的特性や生物学的活性の予測を高精度で行うことにより、リード化合物の最適化プロセスを加速させます。

加えて、2023年12月に開催されたHealthtech Summitでは、富士通が提案した「Healthy Living Platform」は、治験における患者負担を最小限に抑えるためのシミュレーション技術を提供。個々の患者の健康データをリアルタイムで収集・解析し、AIを用いて治験プロトコルの最適化を行うことが可能に。このアプローチにより、治験期間の短縮やコスト削減が可能となり、新薬の市場投入までの時間を大幅に短縮することが期待されています。

富士通のマテリアルズ
インフォマティクスの導入事例

富士通の創薬分野におけるマテリアルズ・インフォマティクスの導入事例はまだ公開されていません。

富士通のマテリアルズ
インフォマティクス関連の
提供サービス

サービス・サポートのアイコン
Biodrug Design Accelerator

創薬に欠かせない工程である「DMTAサイクル(設計・合成・評価・分析の頭文字を取ったもの)」を円滑に行うための総合型創薬プラットフォームです。化合物をはじめとする様々なデータを一元的に管理し、視覚的に分かりやすく確認できます。

サービス・サポートのアイコン
Virtual Pharma
(バーチャル・ファーマ)

創薬を迅速に行うため、遺伝子データ、臨床データ、化学データなどのデータを統合管理し、異なるデータ間の相関を見出すことで、より正確な分析と意思決定をサポート。臨床試験のコストや時間の大幅な削減を実現します。

サービス・サポートのアイコン
Healthy Living Platform(ヘルシーリビングプラットフォーム)

医療機関の電子カルテシステムに蓄積された診療データを集約し、患者個人ごとの最適な診療方針や健康管理を可能とするプラットフォームです。治験に参加する患者の負担を減らす目的で開発されました。

富士通の企業情報

会社名 富士通株式会社
本社所在地 本社:神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1
公式サイト https://www.fujitsu.com/jp/
エネルギー企業のアイコン
新エネルギー材料の
発見に注力する
エネルギー企業の相談先

伊藤忠テクノソリューションズ

伊藤忠テクノソリューションズが
「新エネルギー材料」領域に
強い理由

電子構造や熱力学的性質を
精密に予測し、
エネルギー効率を向上

伊藤忠テクノソリューションズは、米国のQuesTek社との協業により、科学・工学分野の高度な解析を通じて、新材料の設計を包括的にサポート。 カーボンニュートラルの実現に向けた成長戦略の一環として、デジタルトランスフォーメーション(DX)を駆使した新エネルギー材料の開発に注力しており、リチウムイオン電池の性能向上を目指した材料設計において、ナノスケールでの材料特性を正確にシミュレートするための「第一原理計算」と「分子動力学計算」を用いたアプローチを採用しています。材料の構造や反応メカニズムを分子レベルで解析し、適切な材料設計を提案し、材料開発を行うことが可能です。

材料特性の予測にシミュレーション技術を活用しており、エネルギー効率や材料の耐久性を考慮した仮想実験が可能。太陽光発電や蓄電デバイス用の新材料開発では、実験を効率化するために物理モデルと機械学習を組み合わせたシミュレーションを実施し、コスト削減と迅速な開発を実現しています。

またクラウド上で第一原理計算や分子動力学計算を実行し、大規模なデータセットをリアルタイムで処理することで材料の電子構造や熱力学的性質を精密に予測できるプラットフォーム「Mat3ra」を採用。 「Mat3ra」はリチウムイオン電池や燃料電池といった次世代エネルギー材料の開発において、材料の安定性や耐久性を向上させるための解析機能を提供しており、エネルギー効率の向上や環境負荷の低減に貢献しています。

伊藤忠テクノソリューションズのマテリアルズ
インフォマティクスの導入事例

伊藤忠テクノソリューションズの新エネルギー材料分野におけるマテリアルズ・インフォマティクスの導入事例はまだ公開されていません。

伊藤忠テクノソリューションズのマテリアルズ
インフォマティクス関連の
提供サービス

サービス・サポートのアイコン
ICMD®

ICMD®は、伊藤忠テクノソリューションズの関連会社であるQuesTek Japanが開発した計算科学とデータ解析技術を組み合わせたクラウド型材料開発プラットフォームです。シミュレーション技術と機械学習を活用し、分子レベルからマクロスケールまでの材料特性を予測・解析。既存のツールやデータベースとの統合が容易で、研究プロセスの自動化や高スループット(高速大量処理)での材料探索を可能にします。

サービス・サポートのアイコン
Mat3ra
(旧名称Exabyte.io)

MIに必要な学習データを第一原理計算によって構築して活用することや、高精度な物性予測モデルの構築および最適化を行うことが可能で、有機材料を含め、高分子や触媒、電池や半導体など、幅広いターゲットを対象としています。ナノ材料に対する第一原理計算および分子動力学計算をクラウド上で実行できるプラットフォームです。

サービス・サポートのアイコン
MI Success Lab

MI Success Labは、伊藤忠テクノソリューションズが提供する、企業の材料開発を総合的に支援するサービスです。MIを活用してデータ分析や最適化を行うだけでなく、企業のスタッフがMI技術を自分たちで使えるようにするための指導も行います。専門家によるコンサルティングや継続的なサポートを提供し、効率的な材料開発とイノベーションの促進を支援するプラットフォームです。

伊藤忠テクノソリューションズの企業情報

会社名 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(略称CTC)
本社所在地 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー
公式サイト https://www.ctc-g.co.jp/

マテリアルズ・インフォマティクスのプラットフォーム提供や解析受託など、関連サービスを提供している企業をご紹介します。

HPC

システムズ AI技術と計算化学技術の融合をテーマとしており、新規高機能材料の開発を目的にしています。データベース作成機能も備えた汎用性の高いソフトウェアを提供します。

MI-6

経験豊富なデータサイエンティストが在籍し、課題解決の支援を行うMI-6。研究者のドメイン知識とMIを融合させたソリューションを提供します。

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NTTデータ数理システム

マウス操作で簡単にデータ分析を行える点が特徴です。機械学習による予測モデルの構築や、ベイズ最適化による最適条件の探索にも適しています。

Preferred Networks×ENEOS

原油処理装置の自動化を目的とし、石油化学分野に強みを持つENEOSと、AIなどの先端技術を得意とするPreferred Networksが共同でプラットフォームを開発しています。

SCSK

材料・化学分野に特化した人工知能とスマートなデータ構造管理を組み合わせたプラットフォーム「Citrine Platform」を提供します。

伊藤忠テクノ
ソリューションズ

MIにおいて複数の自社プラットフォームを提供する伊藤忠テクノソリューションズは、特に創薬分野において優れた強みを持ち、新エネルギー素材にも対応します。

エンソート

科学ソフトウェア分野のプロフェッショナルとして、20年以上(※2024年9月調査時点)のキャリアを誇るエンソート。専門チームが科学者やエンジニアと協力して開発したソリューションを提供します。

コニカミノルタ

従来のコア技術とインフォマティクスの融合がコンセプトのMIを開発します。2021年に、完成度が高く評価され、近畿化学協会主催の「化学技術賞」を受賞しました(※)。

※参照元:コニカミノルタ公式HP:https://www.konicaminolta.com/media/jp-ja/newsroom/2022/0530-02-01/0530-02-01-ja.pdf

コベルコ科研

コベルコ科研のMIソリューションは、自社が保有する各種試験分析手法を適用し、1つの試験片から多くの試験分析結果を取得できる特徴を持ちます。

島津製作所

脱炭素やカーボンニュートラルへの取り組みを反映した、“グリーンイノベーション”理念に基づき、ロボットやデジタル技術、AIを活用した自律型実験システム「Autonomous Lab」を開発します。

ダイキン工業

従来の機械学習モデルに留まらず、解析ノウハウの共有や実行を含めたデータ駆動型研究開発プラットフォームを提供します。未経験者でも実践しやすいように工夫されています。

ダッソー・システムズ・
バイオビア

製薬や化学、材料分野の現場に特化したソリューションを提供します。MIに関するセミナーも積極的に開催しています。

TDK

磁性材料フェライトの事業化を目的とし、材料・素材技術をコアテクノロジーとするTDK。AIデータ分析ソフトウェア「Aim」を活用した粒子解析ソフトを開発します。

トヨタ自動車

MIを活用し、材料の強度、耐久性、熱伝導性、材料組成、応力と変形、環境影響などを解析するクラウドサービスを開発します。顧客のニーズに応じて材料設計をカスタマイズが可能です。

長瀬産業×IBM

長瀬産業とIBMが共同で開発したプラットフォーム「TABRASA」は、化学系専門商社ならではの知見に加え、MIの主流であるアナリティクスにコグニティブを搭載します。

日産アーク

自動車分野においてミクロ系シミュレーション(原子・分子レベルでの現象を解明)とマクロ系シミュレーション(材料や部品の構造レベルの現象を解明)の両方に対応します。

日立ハイテク

MI分析を委託できる「分析支援サービス」と、顧客自身が分析を行うための環境を提供する「分析環境提供サービス」という2つの軸でソリューションを展開します。

富士通

創薬分野を中心に「Biodrug Design Accelerator」といった総合型創薬プラットフォームをはじめ、複数のソリューションを提供します。

プロテリアル

プロテリアルは、金属を中心とした組織・組成制御技術と、長年培ってきた強固な独自ネットワークを活かしたMIプラットフォーム「D2Materi™」を提供します。

三井情報

東京工業大学・物質理工学院の教授たちとの共同開発を通じて、「ベイズ最適化」を活用したMIアプリケーションの研究を進めています。

FLOW

マテリアルズ・インフォマティクスの導入の流れ

マテリアルズ・インフォマティクスの導入をベンダーに相談する流れについて解説します。

STEP
1

準備段階

目標設定

マテリアルズ・インフォマティクスの導入における具体的な目標を設定します。目標は企業のニーズに基づいて設定する必要があります。例えば、新材料の発見、既存材料の特性改善、開発期間の短縮、コスト削減などが考えられます。目標が明確であるほど、導入プロセスの各段階での判断が容易になり、効果的な進行が期待できます。

リソースの確認

MI導入に必要なリソースを確認します。これには、人材、予算、技術インフラなどが含まれます。特に重要なのは、データサイエンスや材料科学に精通した人材の確保です。社内に十分なリソースがない場合、外部の専門家やコンサルタントを活用することも検討します。予算面では、初期導入コストだけでなく、運用にかかる費用も考慮します。

STEP
2

データ収集と管理

データ収集

MI導入の成功には、高品質なデータが不可欠です。実験データ、計算データ、文献データ、特許データなど、あらゆる関連データを収集します。これには、既存の社内データだけでなく、公開データベースや外部のデータ源も利用します。収集したデータは、後の分析やモデリングに備えて、一元管理できるようデータベースに集約します。

データのクリーニングと整備

収集したデータはそのままでは使用できないことが多いため、データクリーニングと整備が必要です。データの欠損値を補完し、異常値を修正します。さらに、異なるデータソースからのデータを標準化し、統一フォーマットに整備します。これにより、データの整合性が確保され、解析の精度が向上します。

STEP
3

パートナーの選定

技術パートナーの選定

MIの技術パートナーを選定します。MIプラットフォーム提供企業やコンサルタント会社の中から、自社のニーズに最適なパートナーを選びます。各社の提供するプラットフォームの機能、サポート体制、コストなどを比較検討します。また、導入実績や評判も参考にします。

トレーニングとサポートの確認

選定したパートナーが提供するトレーニングプログラムやサポート体制を確認します。導入初期にはシステムの基本操作やデータの取り扱いに関するトレーニングが重要です。継続的なサポートが受けられるかも確認し、問題が発生した際に迅速に対応できる体制が整っているかを確認します。

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STEP
4

システム導入

プラットフォームの導入

選定したMIプラットフォームを導入します。これには、ソフトウェアのインストールやハードウェアの設定が含まれます。クラウドベースのプラットフォームを選択する場合は、インターネット接続環境の確認やクラウドサービスの設定も必要です。システムが適切に動作するよう、導入後の初期設定を行います。

データのインポートと初期設定

整備したデータをプラットフォームにインポートします。データのインポートが正確に行われるよう、データのフォーマットや構造を確認します。さらに、データベースの構築やユーザー権限の設定を行います。これにより、データのアクセスや操作が効率的かつ安全に行えるようになります。

STEP
5

トレーニングと運用開始

社内トレーニング

システムを使用する社内スタッフに対してトレーニングを実施します。これには、MIの基本概念から具体的なシステムの操作方法までを網羅します。スタッフがシステムを十分に理解し、効果的に活用できるようにすることが目的です。トレーニングの内容は、実際のデータを使用した実践的なものにします。

パイロットプロジェクトの実施

本格運用前に、小規模なパイロットプロジェクトを実施します。これにより、システムの運用をテストし、実際の使用環境での課題や問題点を把握します。パイロットプロジェクトの結果を基に、必要な調整や改善を行います。

STEP
6

本格運用と改善

本格運用の開始

パイロットプロジェクトで得られた知見を活かし、システムを本格的に運用します。運用開始後も、継続的にデータを収集・解析し、材料開発を進めます。定期的なミーティングや報告を通じて、進捗状況を確認し、問題があれば迅速に対応します。

継続的な改善

本格運用の中で発見される課題や改善点に対して、継続的なシステムの最適化を行います。新たな技術やデータを取り入れることで、MIの効果を最大化します。フィードバックループを形成し、システムの改善を繰り返すことで、より高精度な予測と最適化が可能になります。

近年力を入れる企業が増えているとはいえ、マテリアルズ・インフォマティクスは非常に新しい技術のため、
初めて名前を聞いたという方も多いと思います。
そこでここではAIとの違いから失敗事例、将来性など、様々な視点からMIの基礎知識をご紹介します。

MIとAIの違い

MIとAIの違いのイメージ

AIは一般的にコンピュータに知的行動を行わせるための人工知能を指します。MIはそんなAIを活用した新技術のことで、情報科学を応用して製造や化学、医療分野などにおける材料開発や探索をサポートするものです。

MIと生成AIの関係

MIと生成AIの関係のイメージ

AIの中でも文章や画像、音声、動画など様々なコンテンツを生み出すことができる「生成AI」。マテリアルズ・インフォマティクスにおいても活用が期待されるものですが、双方はどのように関連しているのでしょうか、解説します。

MIの課題

MIの課題のイメージ

幅広い分野の材料開発や探索にて多大な効果が期待されるマテリアルズ・インフォマティクスですが、メリットばかりではありません。実は活用できるデータ量や質、専門知識の必要性など、いくつかの課題が存在します。

もっと見る

MIの将来性

MIの将来性のイメージ

新たな技術として様々な業界で注目されるマテリアルズ・インフォマティクスですが、導入にあたっては今後も進化や発展が見込めるのかを気にされる方も多いと思います。そこでここでは、期待される将来性について考えます。

MIの導入に失敗するケースと解決策

MIの導入に失敗するケースと解決策のイメージ

マテリアルズ・インフォマティクスを活用すれば開発や業務が効率化するはずと導入したものの、思うような効果が見込めなかったというケースも少なくありません。そこでここでは、どのような場合に失敗しやすいのか、解決策はあるのかについて解説します。

プロセスインフォマティクスとは、大まかに言えば製造データを活用して製造プロセスを最適化する技術を言います。
しかし、マテリアルズ・インフォマティクスとはどう違うのでしょうか?
ここでは基本的な知識をはじめ、事例や活用方法などについて詳しくご紹介します。

マテリアルズ・インフォマティクスは新たな材料の開発において、製品化のための実験や評価に要する時間や作業を短縮化する目的で活用されます。それに対し、プロセスインフォマティクスはその後の量産化のために効率の良い製造プロセスを生み出すのが特徴です。ここでは更に詳しく、双方の違いをまとめています。

プロセスインフォマティクスは適切に活用することで、開発スピードの向上や分析精度の向上などが見込めると言われています。では、実際にどのような方法で行われるのか、詳しい事例を確認してみましょう。

電子機器分野で中心的な材料となる半導体ですが、コスト削減や製造工程の最適化を図る上で特にプロセスインフォマティクスを必要とする業界だとも言われています。ここではその関係性について解説します。

製造プロセスの効率化を目的とするプロセスインフォマティクスは、上手く活用することで更なる利益の向上や現場環境の改善などが期待できます。そこでここでは、製造業における意義や具体的な効果などについて、更に深掘りして解説します。

先進的な技術だからこそ、マテリアルズ・インフォマティクスは日々研究が続けられ、
効果を実感したという成功事例が積み重ねられています。
そこでここでは、2024年9月時点の最新情報をお届けします。
今MIがどこまで進化しているのか、ニュースで見ていきましょう。

2023年6月、衛生面に関わる生活用品の大手メーカーであるライオンからMIを活用した事例が発表されました。製品の組成開発での活用を目的とした実験にMIを用いた結果、ハミガキの組成開発期間を約半分に短縮できたそうです。ここではその詳しい内容をチェックしてみましょう。

こちらは2024年6月の事例です。日本特殊陶業が初めてMIを活用したことにより新たな材料開発フレームワークが可能となり、高性能かつ量産できる新規無鉛圧電材料を開発したというものです。では、実際どのように行われたのか、詳しい内容をまとめました。

2024年9月、Datachemical LAB導入企業・大学・研究機関向けに初学者向けのデータ解析教育パッケージが無償で提供開始されました。直感的な操作ができるだけでなくビギナーモードやチュートリアルセクションによりAI・機械学習をサポートしてMI概念実践のためのツールとなる教育パッケージについて、詳しい内容をまとめました。

株式会社MORESCOでは、案件の増加やコロナ禍による在宅勤務などの背景から、製品開発の効率化が求められました。そこで研究開発部門におけるDXの一環としてMI活用に取り組む中で、開発者が直感的に操作できるMIツール「miHub®︎」を導入しています。その結果、実験の効率化と質の向上という結果が得られています。

2024年12月20日、積水化学工業では独自MIアプリ「RASIN」の正式運用開始を発表しています。同社のMI専用部署が培ってきた技術を活用するための同アプリは、プログラム不要で利用可能なノーコードアプリとなっています。