TDKは、独自のマテリアルズ・インフォマティクスを通じて、材料開発を効率化し、精度を高める取り組みを推進。自社開発のAIデータ分析ソフトウェア「Aim」により、データ共有と解析技術を全社に展開し、製品開発に貢献しています。
TDKでは、独自のAIデータ分析ソフトウェア「Aim」を開発し、従来の人の手による分析よりも高速で高精度なデータ処理を実現しています。これにより、電池や磁石など多様な分野での材料開発が進んでいます。新しい磁石材料の開発や高周波材料の損失予測が可能になりました。
2018年には、MIを活用し従来の手法では見つけることが困難だった高特性の磁石材料を発見しました。また、2021年には、5Gやその先の通信技術に対応するため、2000種類の材料の損失を予測するモデルを構築。従来の計算方法に比べ、短期間で高精度な予測が可能です。今後、TDKはMIの取り組みをさらに拡大し、AI技術の内製化を進め、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を目指しています。
TDKが開発したAIデータ分析ソフトウェア「Aim」は、TDK内のさまざまな部署で蓄積されたデータを効果的に活用できるプラットフォームです。
Aimはインストール不要で、Webブラウザを通じて簡単に利用できる設計となっており、TDK内で培われたデータ解析技術を集約。誰でも利用可能で、TDK独自のカスタマイズ性を持つ点が特徴。
Aim導入の背景には、データ解析の効率化が求められていました。従来は技術者が個別にデータを解析していたため、効率が悪く、結果にばらつきが出ることが課題でした。
Aimはデータを統一的に分析できる環境を整備し、全社的にデータ共有が可能になり、解析作業の効率が向上。さらに、データ解析技術の内製化により、TDKのデジタルトランスフォーメーションを支える重要な要素となっています。
TDKは、マテリアルズ・インフォマティクスを活用して新規磁石材料の開発に成功しました。
2018年、MIを活用して発見された新規磁石材料は、従来の技術者の経験や知識だけでは見つけにくい特性を持つもので、残留磁束密度(Br)や角型比(Hk/HcJ)といった特性が向上した磁石です。この技術により、可変磁束磁石として非常に重要な材料が開発されました。
MIの導入により、これまで見落とされていたパターンや材料特性を発見でき、従来技術では実現できなかった特性を持つ磁石が開発に成功した事例です。
参照元:TDK公式HP https://www.tdk.com/ja/featured_stories/entry_057-Aim_materials_informatics.html
TDKは、高周波材料における損失予測モデルの構築に成功しました。
従来の手法では、誘電損失の予測はコストや精度の面で課題がありましたが、TDKは機械学習と第一原理計算を組み合わせた新たな予測モデルを構築。これにより、30日以内に高精度な予測が可能となり、従来の約2.5年かかっていた作業を大幅に効率化しました。
この技術は、5GやBeyond-5Gにおける伝送や誘電損失の低減に大きく貢献すると期待されています。
参照元:TDK公式HP https://www.tdk.com/ja/news_center/press/20230523_01.html
専門領域を持っているMIベンダーを厳選しました。
自社の研究対象に近しい領域を専門としているMIベンダーの方が、
コミュニケーションにズレがなく、知見や実績も豊富な可能性があります。
化学・素材分野で数多くの開発を成功に導いた実績があります。
日立グループ全体の強みを活かして材料開発を総合的に支援できることから、早期の市場参入を可能にします。
富士通では、創薬に特化したプラットフォームを用意。特許読解、法規制物質チェックにも一貫して対応可能。
特定の材料開発プロセスではなく、創薬研究プロセス全体のDXが叶う点も魅力です。
新しいエネルギー材料の特性を正確に予測する「Mat3ra」(旧Exabyte.io)プラットフォームを提供。
新しいバッテリー材料や軽量合金の開発をスピーディーに進められることが可能です。