マテリアルズインフォマティクス ベンダー特集

積水化学、独自MIアプリ『RASIN』の正式運用を開始

こちらの記事では、積水化学工業が2024年12月に正式運用を開始したと発表した、独自のMIアプリ「RASIN」について紹介しています。アプリの特徴や機能、どのような実用性があるのかなどについてまとめています。

積水化学がMI活用を加速する「RASIN」を正式運用

2024年12月20日、積水化学工業では材料開発におけるマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の推進を目的として、MIアプリ「RASIN」の正式運用をスタートしたと発表しています。RASINは同社の独自アプリであり、「R&D Accelerator for SEKISUI's Innovative Notions」の略です。

積水化学工業では、「Vision2030」の実現のための施策のひとつとして、MI専門部署のサポートによるMIを活用した材料開発に取り組み、さまざまな新材料の開発スピードの向上・高度化を実現。さらに、MI専門部署以外の研究開発者を対象とした教育プログラムの提供を行っており、それぞれの部署における自律的なMI活用や全社でのMI活用拡大への取り組みを進めています。

ノーコードアプリ「RASIN」の機能と実用性

RASINは、積水化学工業におけるMI専門部署がこれまでに蓄積してきた技術を、全ての研究開発者が活用できるようにしたものであり、プログラミングが不要なノーコードアプリの形で提供されています。同社のMI専門部署では、複合材料や触媒分野など材料開発領域においてMI活用を進めており、実際に市場に展開されている製品も多数あります。RASINの活用によって、上記のような実績を持つ開発手法を現場で活用することが可能となります。

さらに材料開発においてMIを活用するにあたって、専門家に相談し、解析結果や改善方法に関する議論が可能な窓口を含めたサポート体制を構築しています。また、RASINを活用してMI技術を学べる新たな教育プログラムの導入も行っています。この教育プログラムでは、プログラミング教育に費やす時間を削減できることに加え、MIの理論・実践について集中して学ぶことが可能。そのため短期間の教育によって、材料開発にMIを活用できるようになります。

まとめ

こちらの記事では、積水化学工業が独自で開発したノーコードアプリ「RASIN」についてご紹介してきました。同社では、アプリの活用によりMI技術の理解を深めた研究開発者に向けた更なる機能の導入や、より専門的なMI技術に関する教育プログラムを提供し、グループにおけるMI技術の活用をより推進していくことを目的としています。

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