ENEOSはマテリアルズ・インフォマティクス(MI)を活用して新素材開発の効率化に成功しました。MIの導入により、データ解析を用いた短期間での材料特性の予測が可能となり、潤滑油素材の開発で技術賞を受賞する成果を上げています。
ENEOSは、新素材の開発を効率化するため、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)の導入に取り組みました。従来の研究開発は試行錯誤を伴い、時間とコストがかかることが大きな課題でした。特に石油化学を基盤とした素材開発では、高度な材料特性を実現するために膨大なデータ解析と設計が必要です。こうした課題を解決するために、ENEOSはデジタル技術とAIを活用し、実験データを迅速に解析するMIの導入を進めました。
MIにより、従来の開発手法よりも短期間で高機能な材料を発見することが可能になり、研究開発プロセス全体の効率化が図られました。ENEOSが目指すのは、こうした技術を活用して持続可能で高性能な素材を開発し、企業としての競争力を高めることです。
ENEOSのMIを用いた取り組みは、具体的な成果を上げています。
その中でも特に顕著な成果は、日本トライボロジー学会からの技術賞受賞です。トライボロジーは摩擦や摩耗、潤滑に関する学問で、産業機械や自動車の部品において極めて重要な技術です。この分野でのENEOSの成果は、MIを活用して新たな潤滑油素材を開発したことにあります。MIのデータ解析によって材料特性の予測精度が向上し、開発サイクルが大幅に短縮されました。その結果、性能の高い潤滑油素材の発見に成功し、業界内外から高く評価されました。
この受賞は、ENEOSが素材開発においてMIを活用することで得られる技術的成果を証明しており、今後の新素材開発においても大きな期待が寄せられています。
参照元:ENEOS公式HP https://www.eneos-rd.com/news/article/?newsid=news__0026
ENEOSは今後、MIをさらに進化させ、より革新的な素材の発見・開発を目指しています。そのビジョンの一つとして、持続可能な社会の実現です。CO2排出削減やリサイクル可能な素材の開発を推進しており、企業としての環境責任を果たすだけでなく、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献も視野に入れています。
また、ENEOSはMIの活用により、低コストで高機能な材料の開発を進めることで、より多くの産業分野に技術の提供を目指しています。これには、自動車産業、エネルギー分野、さらには医療分野に至るまで、多岐にわたる応用が期待されています。さらに、外部の研究機関や大学との連携を強化し、AIやビッグデータ解析の最新技術を取り入れることで、研究開発のスピードと精度をさらに向上させる計画です。
ENEOSは、こうした取り組みを通じて、次世代の素材開発を牽引し、世界のさまざまな産業に貢献することを目指しています。
MIベンダーの中には、専門領域を持つ企業があります。各ベンダーが保有するデータの質と量は解析精度に大きく影響し、研究開発のスピード向上やコスト削減につながります。そのため専門領域で強みを持つベンダーのMIを選ぶことが重要です。
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化学・素材分野で数多くの開発を成功に導いた実績があります。
日立グループ全体の強みを活かして材料開発を総合的に支援できることから、早期の市場参入を可能にします。
富士通では、創薬に特化したプラットフォームを用意。特許読解、法規制物質チェックにも一貫して対応可能。
特定の材料開発プロセスではなく、創薬研究プロセス全体のDXが叶う点も魅力です。
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