マテリアルズインフォマティクス ベンダー特集
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マテリアルズインフォマティクス(MI)の成功例

目次
この記事で分かること

本記事では、材料開発のDXを加速させる「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」について、成功例をもとに「結局、何ができるのか?」「自社でどう活用すべきか?」という疑問を解決します。

膨大な情報の中から、以下の3つのポイントを軸に構成しています。

  • 【基礎知識】 MIの仕組み、メリット、および最新の「生成AI」活用トレンド
  • 【成功パターン】 独自分析による導入成功企業の共通項と3つの活用モデル
  • 【40社以上の成功事例】 トヨタ、旭化成、三菱ケミカルなど、国内トップ企業の課題解決事例
注目の成功事例
CASE STUDY

属人化からの脱却!巴川コーポレーションが実践する「失敗しないMI導入」とは?

ベテランの勘に頼る材料開発から、誰もが成果を出せるデータ駆動型プロセスへ。開発期間の短縮と若手育成を両立させた「具体的なステップ」を大公開します。

マテリアルズインフォマティクス(MI)とは?【2026年最新版】

マテリアルズインフォマティクスの図解

マテリアルズインフォマティクス(Materials Informatics, MI)とは、材料科学にデータ科学を取り入れ、実験データや計算・シミュレーションデータなどを活用しながら、材料の特性や挙動を予測したり、有望な候補を探索したりするアプローチです。機械学習や統計解析を使うケースも多く、材料の「組成・構造・製造条件」と「物性」の関係を、データから捉えて意思決定に役立てます

従来の材料開発は、検証すべき組み合わせが膨大であることや、評価に手間がかかることから、試行錯誤の実験を重ねる場面が少なくありませんでした。その結果、テーマや要求水準によっては開発に長い時間とコストがかかることもあります。

マテリアルズインフォマティクス(MI)は、実験の代替というよりも、実験・計算・シミュレーションを含むさまざまなデータを整理し、モデル化と探索を組み合わせて「試す順番」と「試す範囲」を絞り込むことで、開発の効率を高めることを目指します。うまく運用できれば、実験回数の削減や探索の早期化につながる可能性があり、開発スピードやコスト面での改善が期待されています。

材料開発のDX:マテリアルズインフォマティクス(MI)が担う役割

材料開発におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)では、データの収集・管理、解析、シミュレーション、自動化、設計判断の高度化など、複数の要素が連動します。マテリアルズインフォマティクス(MI)はその中でも、材料に関するデータを意思決定へつなげるための重要な要素の一つとして位置づけられます。

従来の開発では、研究者の経験知が強みになる一方で、探索空間の大きさや評価コストの高さから、どうしても「試行→評価→改善」のサイクルが重くなりがちです。マテリアルズインフォマティクス(MI)では、統計解析や機械学習、シミュレーション(第一原理計算など)を目的に応じて組み合わせ、実験に着手する前に候補を整理したり、検証すべき条件を優先順位づけしたりする設計が取りやすくなります。

また、マテリアルズインフォマティクス(MI)の活用は「当てること」だけがゴールではありません。モデルの精度はデータ量や品質、対象材料、評価条件の揺れによって変わるため、予測値を盲信するのではなく、不確実性を含めて候補を絞り込み、実験で検証し、結果を学習データとして戻して改善する運用が現実的です。こうした運用を通じて、研究者が「何を次に試すべきか」をより筋の良い根拠で判断しやすくなり、開発プロセス全体の再現性や継続性の向上に寄与します。

なぜ今、マテリアルズインフォマティクス(MI)の重要性が高まっているのか(環境規制・短納期化・技術承継)

素材産業を取り巻く環境は、規制、顧客要求、開発スピード、人材構造など複数の要因で変化しています。マテリアルズインフォマティクス(MI)が注目される背景としては、代表的に次のような論点が挙げられます。

01

環境規制

欧州を中心にPFAS(有機フッ素化合物)を含む化学物質の取り扱いに関する議論や制度整備が進んでおり、企業側には代替候補の探索や、使用量削減・設計変更の検討が求められる場面が増えています。こうした状況では、実験だけで候補を広く洗い出すのが難しいため、既存データや計算・シミュレーションの結果を使って、代替候補の探索を前倒しする考え方としてマテリアルズインフォマティクス(MI)が活用されることがあります。

02

短納期化

スマートフォンや電気自動車(EV)などの分野では、技術や市場要求の変化が速く、材料に求められる性能も更新されやすい傾向があります。そのため、開発の初期段階で探索の方向性を誤ると、後工程で手戻りが大きくなりやすく、競争上の不利につながる可能性があります。マテリアルズインフォマティクス(MI)は、探索の初期段階で「見込みのある領域」を絞り込みやすくする手段として、意思決定の速度と質の両面を支える役割が期待されています。

03

技術承継

製造業・素材産業では、熟練者の高齢化や人材流動性の高まりを背景に、ノウハウの共有・形式知化が課題として挙げられることがあります。マテリアルズインフォマティクス(MI)は、暗黙知をそのまま置き換えるというより、実験条件や評価結果、失敗も含む履歴をデータとして整備し、若手が「再現可能な判断材料」にアクセスできる状態をつくるための基盤として機能します。適切なデータ整備と運用設計が伴えば、属人的な判断に依存しやすい領域でも、学習と改善のサイクルを回しやすくなります。

マテリアルズインフォマティクス(MI)とプロセス・インフォマティクス(PI)の違い

マテリアルズインフォマティクスとプロセスインフォマティクスの違い

材料開発では、材料そのものの「組成」だけでなく、それをどう作るかという「プロセス(製造条件)」が物性に大きく影響します。したがって、組成の探索と同時に、温度、圧力、時間、混練条件、熱処理条件などの最適化が重要になるケースは少なくありません。

このとき、製造プロセスに関するデータを収集・解析し、品質や歩留まり、性能のばらつきを抑えるために条件最適化を行う取り組みは、「プロセス・インフォマティクス(PI)」などと呼ばれることもあります。ただし、用語や適用範囲は文献や現場での使われ方に揺れがあるため、本稿では「プロセスデータの活用による条件最適化」という意味で扱います。

両方が重要な理由はシンプルです。どれだけ有望な組成(マテリアルズインフォマティクス(MI)の成果)を見出しても、製造条件が適切でなければ狙った物性が得られないことがあります。逆に、製造条件をどれほど丁寧に管理しても、組成の選択が不適切であれば性能の到達点に限界が出ることがあります。

近年は、組成(材料側)とプロセス(製造側)を分けて最適化するのではなく、両者の相互作用を踏まえて統合的に設計・最適化しようとする取り組みも増えています。ただし、すべてを一気通貫で自動最適化できるというより、データ基盤の整備、評価指標の統一、現場実装の制約(設備・コスト・安全・品質規格)を踏まえながら、段階的に対象範囲を広げていく進め方が現実的です。

【独自分析】マテリアルズインフォマティクス(MI)導入に成功した企業の「共通項」と3つのパターン

マテリアルズインフォマティクス(MI)導入に成功した企業の「共通項」と3つのパターンの図解

パターンA:実験・試作回数の削減(コスト・期間短縮型)

最も導入効果が見えやすく、多くの企業が最初に取り組みやすいパターンです。膨大な組み合わせの中から、次に試す価値が高い条件や候補をデータ解析で絞り込み、試作・検証の回数と手戻りを減らしていきます。

ここでいう「成功企業の共通項」は、AIモデルそのものの精度だけではなく、現場の意思決定を前に進めるための準備と運用に共通して現れる要点です。自社のデータ状況や開発プロセスに照らし合わせ、取り入れやすいところから整えることが近道になります。

マテリアルズインフォマティクス(MI)成功企業の共通項

過去の実験・測定データを整備し、成功だけでなく失敗データも含めて学習・分析に活用しています。あわせて、予測結果を「次に試す候補の優先順位」に変換し、実験計画に戻す運用まで落とし込むことで、探索が止まらない形をつくっています。

マテリアルズインフォマティクス(MI)の代表的な効果

試作回数の削減、探索期間の短縮、開発サイクルの圧縮が起きやすくなります。削減幅はテーマやデータ条件に依存しますが、「試す前に絞れる」状態をつくれるほど効果が出やすくなります。

マテリアルズインフォマティクス(MI)の成功企業の具体例

  • 積水化学では、材料設計に要していた期間を「5カ月から4時間」に短縮した事例が記載されています。
  • フジクラでは、試作回数を「最大120回から約30回」に削減し、開発期間も「最長12か月から約3か月」へ短縮したケースが示されています。
  • 住友電工では、従来1週間かかっていたシミュレーションを「約半日」に短縮し、新素材開発期間を「約10カ月から4〜5カ月」に短縮した内容が記載されています。

パターンB:熟練者の知見をデジタル化(属人化解消・若手育成型)

「なぜかこの人のレシピだとうまくいく」といった暗黙知を、再現可能な形に落とし込み、組織全体で使える資産に変えるパターンです。若手の立ち上がりを早めつつ、判断のばらつきを減らすことを狙います。

ここでいう「成功企業の共通項」は、熟練者の感覚を“そのままAIに置き換える”ことではありません。判断の材料になっている情報を言語化・数値化し、現場が説明できる形で再現性を上げていく取り組みとして共通しています。

マテリアルズインフォマティクス(MI)成功企業の共通項

熟練者の判断基準や実験ノート、現場の勘所を、数値化・特徴量化して分析に組み込み、結果の読み解きまで含めて現場で回せる形にしています。あわせて、ツールを「使える」状態で止めず、「意思決定が早くなる」思考プロセスとして定着させています。

マテリアルズインフォマティクス(MI)の代表的な効果

属人化の解消、技術継承の加速、若手育成の短縮、判断品質の平準化につながりやすくなります。

マテリアルズインフォマティクス(MI)の成功企業の具体例

  • 巴川コーポレーションでは、製品設計の経験が浅い若手エンジニアが「2〜3ヶ月」という短期間でMIツールを活用し、ベテランと同等レベルの設計判断ができるようになった事例が紹介されています。
  • 日本タングステンでは、ダイス形状など6項目を説明変数とするモデルを構築し、LOOCVで精度評価を行ったうえで線形回帰モデルを採用し、現場利用に向けて入力項目と操作手順を整理した取り組みが記載されています。

パターンC:生成・シミュレーションで探索範囲を広げる(未踏領域探索型)

既存の延長線上では見つけにくい候補や条件を、シミュレーションやデータベース探索なども組み合わせて広く探索するパターンです。「候補を作る/集める→絞る→検証する」の流れを強化し、探索の限界を押し広げます。

ここでいう「成功企業の共通項」は、探索規模をただ増やすことではなく、探索・評価の役割分担を決め、実験の設計と解釈に人の時間を戻す設計にあります。人手だけでは扱い切れない探索規模を前提に、候補生成と絞り込みの仕組みを整えています。

マテリアルズインフォマティクス(MI)成功企業の共通項

外部データベースや計算・生成の仕組みで探索空間を拡張し、機械学習で有望候補を効率的に絞り込んでいます。検証フェーズでは、人が「何を確かめるか」の設計に集中できるように、候補提示の段階で選別の粒度を揃えています。

マテリアルズインフォマティクス(MI)の代表的な効果

探索範囲の拡大、候補抽出の高速化、未踏領域の検討加速につながりやすくなります。成果の出方はテーマとデータ条件に依存します。

マテリアルズインフォマティクス(MI)の成功企業の具体例

  • 栗田工業では、外部データベースに登録された数百万規模の分子情報を対象に機械学習で有望候補を絞り込み、探索範囲を拡大した内容が記載されています。
  • ダイセルでは、統計数理研究所と連携して仮想高分子生成モデル「SMiPoly」を開発し、「22種類」の重合反応ルールを網羅したうえで「約1000種類の原料から17万件」の仮想高分子ライブラリを自動生成できるようにした内容が示されています。

注目のマテリアルズインフォマティクス成功事例

巴川コーポレーションのマテリアルズインフォマティクス(MI)の成功事例
未経験者が2~3ヶ月で成果。失敗しないMI活用の“実践モデル”とは?

マテリアルズインフォマティクス(MI)導入の背景・目的

開発スピードと人材育成のバランスに苦戦

巴川コーポレーションでは、製品設計における原料や製造条件の最適化をベテラン開発者の経験と勘に頼って進めていました。しかし、多品種少量の開発を短期間で進める必要が高まり、開発スピードと若手育成の両立が課題になっていました。

そこで同社は、ベテランの知見を形式知化し、若手にも再現できる形で引き継ぐ仕組みを必要としていました。あわせて、開発プロセスを標準化し、製品化までの時間を短縮することも目指していました。

直面していた課題

マテリアルズインフォマティクス(MI)を導入しても使いこなせない

社内にはデータがあっても、整備や分析のノウハウが十分に共有されておらず、MIを現場で活用しきれていませんでした。特に若手エンジニアは初期設定やアルゴリズム理解でつまずき、「使えるが使いこなせない」状態に陥っていました。

マテリアルズインフォマティクス(MI)の取り組みの内容

マテリアルズインフォマティクス(MI)を使いこなすための伴走支援

この課題に対し、日立ハイテクのデータサイエンティストが伴走支援を実施しました。分析設計のフロー構築から実データを使った指導までを一貫して行い、ツールの操作だけでなく、成果につなげる考え方まで現場に定着させた点が特徴です。

マテリアルズインフォマティクス(MI)の導入効果・成果

膨大な画像解析作業を効率化

その結果、経験の浅い若手エンジニアでも、2〜3ヶ月でMIを活用し、ベテランに近い設計判断ができるようになりました。属人化していた知見も可視化され、他の若手メンバーへ展開しやすい状態になっています。

さらに、開発スピードも向上し、従来より約30%早く市場投入できる体制づくりが進みました。人材育成と開発効率化を同時に進めた事例といえます。

参照元:日立ハイテク公式サイト https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/ict-solution/randd/cacestudy/001.html

国内外のマテリアルズインフォマティクス(MI)成功事例47選
(企業・研究機関別)

国内外のマテリアルズインフォマティクス(MI)成功事例のカテゴリの図解

マテリアルズインフォマティクス(MI)は、実験・解析・シミュレーションで得られる材料データを学習し、候補選定や条件探索を効率化する手法です。本章では、マテリアルズインフォマティクスを実務で使える形に落とし込み、探索期間の短縮や試作回数の削減につなげた国内外の成功事例を、業界別に整理しました。

【化学・素材】主要企業のマテリアルズインフォマティクス(MI)
成功事例

トレンド:化学・素材のマテリアルズインフォマティクス(MI)では、物性予測による「試行錯誤の最小化」と「代替材料探索」が進んでいます。化学・素材では、無数にある化合物や添加剤の組み合わせをどう効率化するかが共通課題です。近年はPFASを含む化学物質規制の動向や環境要件の変化を背景に、代替材料探索を効率化する文脈でMIの活用が進んでいます。

企業名
直面していた課題
導入ソリューション
決定的な導入効果
URL

旭化成

課題 材料探索が手作業で長期化
施策 AIで膜特性予測/最適設計
成果 試行削減/開発期間短縮

住友化学

課題 組成の組合せが100万通り
施策 ベイズ最適化で候補を絞り込み
成果 4サイクルで最適組成に到達

東レ

課題 CFRP設計が試行錯誤で長期化
施策 SOM×シミュ統合で特性を可視化
成果 設計〜評価のサイクルを短縮

JSR

課題 新素材設計が非効率で長期化
施策 大学連携でMIを内製/高度化
成果 探索の効率化と研究負荷を軽減

日本ガイシ

課題 高精度モデルと操作性の両立
施策 結晶育成AIを改良し現場適用
成果 シミュ期間を最短1日に短縮

日本ゼオン

課題 解析依頼が集中し工数が肥大化
施策 dotDataで特徴量抽出〜学習を自動化
成果 解析工数を1/100まで削減

カネカ

課題 運転管理が手動で品質がばらつく
施策 AI予測で最適設定値を制御へ反映
成果 蒸気削減/年間約100トン増産

積水化学

課題 材料探索が長期化し重複実験も発生
施策 過去データを収集・構造化しMI探索
成果 材料設計を5カ月→4時間に短縮

日東電工

課題 解析と意思決定に時間がかかる
施策 材料データ分析環境+MI研修で自走化
成果 MI適用テーマ数が約20倍に増加

富士フイルム

課題 候補選定が経験依存で探索が非効率
施策 生成AI×MIで構造予測〜評価を自動化
成果 探索期間を年単位→数カ月へ短縮

ダイセル

課題 仮想高分子の合成設計が難しい
施策 SMiPolyで合成可能な高分子を生成
成果 約1000原料→17万件ライブラリ生成

レゾナック

課題 配合探索が膨大で試作が追いつかない
施策 DL+アニーリングで配合を最適化
成果 配合〜試作の時間を1/5に短縮

東ソー

課題 高分子設計が複雑で探索が困難
施策 OCTAでシミュ連携しMLで予測
成果 試作数を抑えつつ最適化を加速

アキレス

課題 配合条件が多く試行が重なりやすい
施策 GPR+RFで成功条件を事前選別
成果 目標物性に約3カ月で到達

三菱ケミカル

課題 知見共有と機密の壁で協業が進まない
施策 MI Bridge+秘密計算で連携基盤化
成果 機密を保ち定量議論/1年未満で到達

丸喜産業

課題 廃プラ配合・調色が熟練者依存
施策 在庫×配合データで候補案を提示
成果 時間を33%/50%短縮

三洋化成工業

課題 データ利活用が個人の工夫に留まっている
施策 短期間で小さな成功を作り、横展開する仕組み化
成果 材料開発でMIを使い続ける土台の構築

TBM

課題 従来型データ管理の限界とMI能力開発の必要性
施策 性能強化に向けた社内MI体制とデータ管理の構築
成果 製造工程の改善まで見据えた運用体制の実現

サンユレック

課題 データ活用の仕組み化と社内浸透に課題
施策 miHub導入と段階的な社内展開
成果 データ駆動型の開発体制づくりが前進

【自動車・輸送機器】主要企業のマテリアルズインフォマティクス(MI)成功事例

トレンド:自動車・輸送機器のマテリアルズインフォマティクス(MI)では、軽量化・電動化に伴う材料と設計条件の探索を、早い段階で収束させる動きが強まっています。近年は、CAEや実験データを統合して性能・耐久の見通しを立て、試作回数を抑えながら開発サイクルを短縮する用途でMIが広がっています。

企業名
直面していた課題
導入ソリューション
決定的な導入効果
URL

トヨタ自動車

課題 材料探索が経験則中心で非効率
施策 社内基盤WAVEBASEを構築
成果 実験回数削減/開発期間短縮

横浜ゴム

課題 配合最適化が属人化し長期化
施策 AI解析+予測システムを実用化
成果 材料選定を数カ月→数週間へ短縮

ホンダ

課題 材料データが分散し活用しにくい
施策 GRANTA MIで一元管理+権限整備
成果 試作材料数/試験回数を約半分に

ブリヂストン

課題 ゴム配合設計が経験依存で長期化
施策 MI×構造CAEで分子レベル可視化
成果 新素材開発の期間短縮と品質向上

住友ゴム

課題 ゴム材料の内部構造と性能の関係性解明
施策 X線小角散乱データとAIを活用した材料シミュレーション
成果 タイヤ設計期間の半減・配合レシピ設計工数の大幅削減

【電子部品・電機/IT】主要企業のマテリアルズインフォマティクス(MI)成功事例

トレンド:電子部品・電機/ITのマテリアルズインフォマティクス(MI)では、少ないデータからでも当たりを付ける設計・条件出しが重視されています。近年は、画像・スペクトルなどの計測データを特徴量として取り込み、条件出しと評価の往復回数を減らす使い方でMIが定着しつつあります。

企業名
直面していた課題
導入ソリューション
決定的な導入効果
URL

NEC

課題 高精度材料データの生成・評価が難しい
施策 東北大と異種混合学習を開発
成果 変換効率を従来比100倍に向上

サムスン電子

課題 固体電解質の候補選定が長期化
施策 MITデータを解析し候補を予測
成果 開発期間を数年→約1年に短縮

村田製作所

課題 総当たり実験で試験負荷が膨大
施策 ベイズ最適化で少データ予測を実装
成果 試行数削減/社内活用が加速

パナソニック

課題 実験データが散在し探索が長期化
施策 データ統合+機械学習で候補を絞り込み
成果 探索を数年→数カ月へ短縮

デクセリアルズ

課題 MI経験者が少なく運用設計が不足
施策 4カ月スプリントで検証→正式導入
成果 2年相当のテーマで2カ月到達

【エネルギー・資源/インフラ】主要企業のマテリアルズインフォマティクス(MI)成功事例

トレンド:エネルギー・資源/インフラのマテリアルズインフォマティクス(MI)では、規制対応や安全・信頼性の要求を満たしつつ、候補探索の「範囲拡大」と「絞り込み精度」の両立が焦点です。近年は、社内データと外部データベースをつなぎ、大規模な候補群から検証の優先順位を付ける用途でMIが活用されています。

企業名
直面していた課題
導入ソリューション
決定的な導入効果
URL

ENEOS

課題 試行錯誤で解析が重く開発が長期化
施策 AI×データ解析で予測モデルを構築
成果 探索サイクル短縮/市場投入を加速

栗田工業

課題 規制対応で代替防食剤の探索が困難
施策 外部DB×機械学習で候補を絞り込み
成果 探索範囲を数百万分子規模へ拡大

【金属・材料加工/重工・機械】主要企業のマテリアルズインフォマティクス(MI)成功事例

トレンド:金属・材料加工/重工・機械のマテリアルズインフォマティクス(MI)では、材料そのものだけでなく加工条件と品質の関係を“再現可能にする”動きが強まっています。近年は、工程データと解析・シミュレーションを組み合わせ、歩留まり改善や立ち上げ短縮につなげる用途でMIが使われています。

企業名
直面していた課題
導入ソリューション
決定的な導入効果
URL

住友電工

課題 オンプレ計算資源が不足し処理が遅い
施策 クラウドHPCで大規模並列計算を実装
成果 1週間→約半日に短縮

日本製鉄

課題 モノマー組合せが膨大で試作が増える
施策 実験+計算データでMLモデルを構築
成果 試作対象の絞り込みで工数削減

フジクラ

課題 配合条件が数百万通りで試作が膨大
施策 ベイズ最適化+可視化で探索を効率化
成果 試作120回→約30回

ダイキン

課題 パラメータ定義が難しくモデルが効きにくい
施策 知見×実験データでMI環境を強化
成果 検証スピード向上/技術継承を加速

日本タングステン

課題 線径検査がボトルネックで立上げが遅い
施策 Pythonで回帰モデルを構築し手順を標準化
成果 37/40試料で±2%以内

三菱重工業

課題 材料のばらつき管理と破壊試験等の負荷
施策 強度特性やクリープ寿命評価へのMI適用
成果 過去データからの迅速な予測と試験負荷の抑制

古河電気工業

課題 バラバラなExcelデータの整備負担と解析の属人化
施策 伴走支援によるモデル開発と再利用できる「型」の構築
成果 試作回数削減と、継続して回せるMI運用体制の実現

【研究機関・スタートアップ/ベンダー】主要企業のマテリアルズインフォマティクス(MI)成功事例

トレンド:研究機関・スタートアップ/ベンダー領域のマテリアルズインフォマティクス(MI)では、手法の実装と現場で使える形への落とし込みが進んでいます。近年は、共同研究で得た高品質データやモデルを基に、探索・予測・解釈をワークフローとして提供し、現場適用を早める取り組みが増えています。

企業名
直面していた課題
導入ソリューション
決定的な導入効果
URL

京都大学

課題 新規物質探索が長期・高コスト
施策 第一原理×MLで物質をランキング化
成果 ICSD約5.5万物質を仮想探索

アイクリスタル

課題 組成探索が膨大で実験が追いつかない
施策 過去データでML予測+シミュ併用
成果 試作サイクル短縮/コスト低減

東北大学

課題 表面実測が難しく設計初期の判断が遅い
施策 2200件DB×NNで特性を推定
成果 バンドアライメントを高速推定

東京理科大学

課題 データ増で設計指針化が難しい
施策 結晶DB×深層学習で候補を予測
成果 約2万件から有望候補を抽出

Quemix

課題 高精度計算が重く高速化が課題
施策 量子コンピュータ×スパコンで計算
成果 欠陥物性を高精度に算出

Polymerize

課題 異なる単位によるデータ不整合や不足など「データ整備」の壁
施策 データの整理・補完から、順解析・逆解析モデル構築までを一貫実施
成果 高精度な特性予測の実現と、開発サイクルの大幅短縮(従来の1/3)

NTTデータ

課題 次世代計算技術の実務適用における定式化やマシン選定の難しさ
施策 適用精査から定式化、実機検証までを一貫支援するラボサービスの提供
成果 実証で終わらせず、業務実装・運用への移行を容易にする支援体系の確立

芝浦工業大学

課題 巨大誘電率材料の探索における膨大な候補空間
施策 第一原理計算と機械学習を組み合わせた特性予測
成果 計算・データ解析による候補の効率的な絞り込み

東京科学大学

課題 高分子材料設計におけるデータ不足と計算コスト、自動化の難しさ
施策 RadonPyとSPACIERを活用し、分子シミュレーションと機械学習を統合
成果 光学用高分子の候補探索を高度化し、経験的限界線を超える材料設計と合成に成功

マテリアルズインフォマティクス(MI)導入で失敗しないための「3つの壁」とその乗り越え方

マテリアルズインフォマティクス(MI)は魔法の杖ではありません。導入企業の多くが直面する「3つの壁」をあらかじめ理解し、
対策を講じることが成功の絶対条件です。

WALL 01

データの壁:小データ問題とデータのクレンジング

マテリアルズインフォマティクス(MI)における最大の障壁は「AIに学習させるデータの質と量」です。

直面する課題

材料開発の現場では、数千・数万といった大量のデータが揃っていることは稀です(小データ問題)。また、過去の実験ノートが紙ベースだったり、成功データのみが記録され「失敗データ」が捨てられていたりすることも、解析の精度を著しく下げます。

乗り越え方

「少ないデータでも解析可能なアルゴリズム(ベイズ最適化など)」を選択すると同時に、「負(失敗)のデータ」を資産として再定義し、データベース化することが重要です。また、シミュレーション(計算科学)で仮想的なデータを生成し、実験データを補完する「ハイブリッド手法」も有効です。

WALL 02

人材の壁:データサイエンティストと実験者の連携

「ツールは入れたが、誰も使いこなせない」「解析結果を現場が信じない」という、組織の分断です。

直面する課題

データサイエンティストは材料の物理的意味を理解せず、実験者はAIのアルゴリズムをブラックボックスとして敬遠する。この「共通言語の欠如」がプロジェクトを停滞させます。

乗り越え方

理想は「データがわかる材料研究者(シチズン・データサイエンティスト)」の育成です。まずは、解析結果とベテランの勘が「一致する」ことを証明する「確かめ算」から始め、AIを「ライバル」ではなく「高度な分身」として信頼してもらうプロセスが不可欠です。

WALL 03

ツールの壁:汎用ツールか、特定領域特化型か

市場には多くのマテリアルズインフォマティクス(MI)ツールがありますが、自社に合わないものを選ぶと「高い授業料」で終わります。

直面する課題

「何でもできる汎用的なAIプラットフォーム」は、自由度が高い反面、初期設定や専門知識のハードルが非常に高くなります。一方で、特定領域に特化しすぎたツールは、研究の広がりを制限する可能性があります。

乗り越え方

まずは「特定の課題(例:ポリマーの物性予測)」に強い領域特化型ツールでスモールスタートし、成功体験を積むのが定石です。その際、将来的に自社の基幹システムや他部署のデータと連携できる「拡張性」があるかを確認してください。

失敗を防ぐ鍵はマテリアルズインフォマティクス(MI)の
「専門領域に強いパートナー選び」

マテリアルズインフォマティクス(MI)導入における「データ・人材・ツール」の壁を自社単独で乗り越えるのは容易ではありません。特にツールの選定においては、汎用的なシステムで消耗するのを避け、自社の研究対象に近い専門領域を持つパートナー(ベンダー)を選ぶことが成功の近道となります。
以下に、それぞれの専門領域で知見と実績を持つ代表的なマテリアルズインフォマティクス(MI)ベンダーを厳選しました。自社の課題に合わせた最適な相談先を見つけるための参考にしてください。

SELECTIONS
専門的な領域に強みを持つ
マテリアルズインフォマティクスの
ベンダー3選

専門領域を持っているMIベンダーを厳選しました。
自社の研究対象に近しい領域を専門としているMIベンダーの方が、
コミュニケーションにズレがなく、知見や実績も豊富な可能性があります。

化学・素材メーカーのアイコン
有機・無機化合物の新素材・製品開発を行う化学・素材メーカーの相談先
日立ハイテク
「化学・素材」
領域に強い理由

化学・素材分野で数多くの開発を成功に導いた実績があります。

日立グループ全体の強みを活かして材料開発を総合的に支援できることから、早期の市場参入を可能にします。

製薬会社のアイコン
新薬候補の特定、
毒性予測など研究を行う
製薬会社の相談先
富士通
「創薬」
領域に強い理由

富士通では、創薬に特化したプラットフォームを用意。特許読解、法規制物質チェックにも一貫して対応可能。

特定の材料開発プロセスではなく、創薬研究プロセス全体のDXが叶う点も魅力です。

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新エネルギー材料の
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伊藤忠テクノソリューションズ
「エネルギー」
領域に強い理由

新しいエネルギー材料の特性を正確に予測する「Mat3ra」(旧Exabyte.io)プラットフォームを提供。

新しいバッテリー材料や軽量合金の開発をスピーディーに進められることが可能です。

まとめ:10年後の材料開発を今、始めるために

まずは「スモールスタート」から。各企業の成功事例に学ぶ
マテリアルズインフォマティクス(MI)導入の鉄則

マテリアルズインフォマティクス(MI)は、決して大企業や一部のデータサイエンティストだけのものではありません。導入を成功させる最大の秘訣は、最初から完璧なデータや大規模なシステムを求めず、「小さく始めて、素早く成功体験を積む(スモールスタート)」ことです。

例えば、この記事でも紹介したデクセリアルズ株式会社では、少人数の推進チームで マテリアルズインフォマティクス(MI)の実装をスタートしました。プログラミング不要のツールを導入してPoC(概念実証)環境を素早く構築し、身近な課題から検証を進めた結果、過去に約2年を要した開発テーマをわずか2ヶ月で完了させるという劇的な期間短縮を実現しています。さらに、データの中から熟練者も気づかなかった新たな知見を見出すことにも成功しました。

「まずは特定のテーマで試してみる」「失敗データも含めて資産にする」といった小さな一歩が、やがて組織全体のリテラシーを変え、属人化からの脱却をもたらします。10年後の激しい素材開発競争を勝ち抜くための準備は、今日、ひとつの小さなデータに向き合うことから始まります。自社の課題に寄り添うパートナーを見つけ、まずは最初の一歩を踏み出してみましょう。

SELECTIONS
専門的な領域に強みを持つ
マテリアルズインフォマティクスの
ベンダー3選

専門領域を持っているMIベンダーを厳選しました。
自社の研究対象に近しい領域を専門としているMIベンダーの方が、
コミュニケーションにズレがなく、知見や実績も豊富な可能性があります。

化学・素材メーカーのアイコン
有機・無機化合物の
新素材・製品開発を行う
化学・素材メーカーの相談先
日立ハイテク
「化学・素材」領域に強い理由

化学・素材分野で数多くの開発を成功に導いた実績があります。

日立グループ全体の強みを活かして材料開発を総合的に支援できることから、早期の市場参入を可能にします。

製薬会社のアイコン
新薬候補の特定、
毒性予測など研究を行う
製薬会社の相談先
富士通
「創薬」領域に強い理由

富士通では、創薬に特化したプラットフォームを用意。特許読解、法規制物質チェックにも一貫して対応可能。

特定の材料開発プロセスではなく、創薬研究プロセス全体のDXが叶う点も魅力です。

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新エネルギー材料の
発見に注力する
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伊藤忠テクノソリューションズ
「エネルギー」領域に強い理由

新しいエネルギー材料の特性を正確に予測する「Mat3ra」(旧Exabyte.io)プラットフォームを提供。

新しいバッテリー材料や軽量合金の開発をスピーディーに進められることが可能です。