トヨタ自動車は、マテリアルズ・インフォマティクスを通じて材料開発の効率化に取り組んでいます。WAVEBASEと呼ばれるクラウドサービスを活用し、少量のデータから有用な情報を引き出すことで、開発プロセスを短縮。技術者が効率的に成果を得られる環境を追求しています。
トヨタ自動車は、マテリアルズ・インフォマティクスの考え方をもとにWAVEBASEを活用し、材料開発の効率化を目指しています。従来は膨大な実験と時間を要していましたが、MIの導入により、少量のデータでも十分な分析が可能になり、実験回数を削減しつつ高精度な予測を実現しています。
この手法により、データの共有や蓄積が効率化され、異なる分野の技術者や研究者との連携が可能になりました。材料の微細な構造や特性に基づいた解析は、新しい材料の発見や既存材料の改良にも応用され、幅広い分野での応用が期待されています。
トヨタ自動車のWAVEBASEは、材料計測データを効率的に解析するクラウドサービスです。
赤外吸収分光法やX線回折法などで材料の微細構造や物性を解析し、機械学習を使った次元削減手法により、少量のデータから有用な情報を抽出。データベースの構築により、組織内でのデータ共有やマルチモーダル解析を実現し、材料開発の効率化をサポートしています。
また、ベイズ推定などの高度な統計手法も活用し、新素材の創出を支援。これにより、材料開発のスピードが向上し、少量のデータからも効果的な分析が可能です。
トヨタ自動車は、樹脂製品の表面にできるシボ(微細なスクラッチ)の解析にマテリアルズ・インフォマティクスを活用しています。
従来、傷の評価は目視に頼っていましたが、レーザー顕微鏡とWAVEBASEを使用した回帰分析により、評価精度が向上しました。
参照元:トヨタ自動車公式HP https://www.toyota.co.jp/wavebase/case-study/シボ傷解析実績/
電動車のモーターに使用されるネオジム磁石は、ネオジムの使用量を減らすことが求められています。WAVEBASEを活用したX線回折データの主成分分析により、ネオジムの使用を抑えつつ磁石性能を維持することができました。
参照元:トヨタ自動車公式HP https://www.toyota.co.jp/wavebase/case-study/インフォマティクスを用いた省ネオジム磁石開発の効率化/
WAVEBASEは、チョコレートの成分解析にも応用されています。FT-IR測定データを用いた解析により、カカオ含有量と砂糖成分との相関が確認されました。
参照元:トヨタ自動車公式HP https://www.toyota.co.jp/wavebase/other-case-study/chocolat/
ゴム材料の内部構造と性能の関係を解明するため、X線小角散乱(SAXS)データをWAVEBASEで分析し、機械特性との関連性を発見。ゴム材料の特性予測モデルが構築されました。
参照元:トヨタ自動車公式HP https://www.toyota.co.jp/wavebase/other-case-study/タイヤ用ゴム材料開発の実績/
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