マテリアルズインフォマティクス ベンダー特集

富士通

目次

引用元:富士通公式HP
https://global.fujitsu/ja-jp

富士通ではマテリアルズ・インフォマティクスを活用し、材料開発の効率を高めています。従来の試行錯誤型の開発方法に対し、データに基づく予測やシミュレーションを行い、より早く適切な材料を発見することが可能です。

1分でわかる要約

POINT 1

データ駆動型アプローチとシミュレーションにより材料探索を効率化します。固体電解質の事例では、導電率約3倍の組成を見つけ、実験回数約1/5・開発期間44%短縮といった成果が報告されています。

POINT 2

デジタルアニーラや高性能コンピューティング、量子化学計算を組み合わせ、膨大な組成条件から有望な候補を高速に絞り込みます。試行錯誤に頼らず、候補材料の評価を前倒しで進められます。

POINT 3

マテリアルキュレーション支援システムやクラウド型電子実験ノート、混合物設計ツールにより、少ないデータでもAIで補完しながら異分野の知見や実験履歴を横断的に活用できます。現場研究者がプログラミングなしで使える点も特徴です。

自社の材料や研究テーマに合う相談先を探したい方へ

富士通の紹介では、組成の探索やシミュレーション、実験データの管理など、材料開発を支える複数の技術・サービスを取り上げています。自社への導入を考える際は、使いたい技術に加え、扱う材料や開発目標に近い領域を得意とする企業かも確認しましょう。

本サイトでは、化学・素材、創薬、エネルギーの領域別に、マテリアルズインフォマティクス(MI)ベンダー3選を紹介しています。まずは各社の得意領域を確認し、自社の研究テーマに近い相談先を探す参考にしてください。

富士通のマテリアルズ・インフォマティクスの特徴

データ駆動型アプローチで効率的な材料探索を実現

富士通のMIは、データ駆動型のアプローチを採用し、材料の特性や条件を予測。効率的に最適な材料を探索できる点が特徴です。これにより、迅速かつ精度の高い材料開発が可能となり、研究の効率化に貢献しています。

デジタルアニーラとHPCによる材料開発の最適化

富士通は、独自のデジタルアニーラ(最適化アーキテクチャ)を活用して、材料開発の最適化を目指しています。デジタルアニーラは、量子コンピュータにヒントを得たデジタル技術で、組み合わせの最適化問題を高速で解決します。さらに、高性能コンピューティング(HPC)や量子化学計算を駆使して、材料のシミュレーションや最適化をサポートしています。

2025年に公開された富士通のインサイトでは、マテリアルズ・インフォマティクスを「レシピ探求型」から「原理駆動型」へ転換する実践的なアプローチと位置づけています。データ基盤、AI、HPC、量子コンピューティングを個別に導入するのではなく、相互に連携させることで、材料開発の推進力を高める考え方が示されています。

富士通のマテリアルズ・インフォマティクス関連の提供サービス

マテリアルキュレーション支援システム

マテリアルキュレーション支援システムは、新素材開発において他分野の知識を活用する技術です。

国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)と共同開発され、他分野の知識を材料開発に応用。例えば電気伝導率のデータが不足している場合でも、熱伝導率との関連性を利用して予測モデルを構築できます。

Signals Notebook

Signals Notebookは、クラウドベースの電子実験ノートで、研究や実験データを一元管理できるツールです。実験データの蓄積や管理が効率化され、データのドラッグ&ドロップでの追加や、多様なデータ形式に対応しています。Webブラウザで利用でき、専用サーバーの構築が不要です。

混合物設計ナビ

混合物設計ナビは、材料開発における異なる成分の最適な混合比を見つけるための支援ツール。マテリアルズ・インフォマティクス技術を活用し、少ないデータでもAIで補完し、最適な設計を提案します。プログラミングの知識が不要で、誰でも簡単に操作可能です。

研究開発支援ソリューション

富士通の研究開発支援ソリューションは、AIやデジタル技術を活用して研究開発の効率化を支援するサービスです。材料開発のDXを推進し、データに基づいたアプローチにより、開発のスピードと精度を向上させます。

また富士通は、研究開発情報だけでなく、コストや設計・生産情報まで含めて扱うクラウドベースのオールインワン・オペレーション・プラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」も提示しています。組織内外に散在するデータを意味の理解できる形に統合し、検索・解析・シミュレーションに活用しやすく可視化することで、材料開発の意思決定を支援します。

GeNNIP4MD

GeNNIP4MDは、分子動力学シミュレーション向けのニューラルネットワーク力場を生成する技術です。富士通は2025年12月、全固体電池界面の10万原子超・10ナノ秒のMDシミュレーションを約1週間で実現したと発表しており、この技術をSCIGRESSへ追加し、2026年3月までに提供開始する計画を示しています。

また、2025年10月公開のインサイトでは、燃料電池の高分子電解質膜に適用した例として、2万原子系で30ナノ秒以上のMDを8日間で実現し、既存技術比で100〜200倍速いと説明されています。材料探索の初期段階だけでなく、動的特性の評価や界面構造の解析まで含めてMIを前に進める技術として位置づけられています。

富士通のマテリアルズ・インフォマティクスの導入事例

混合ガラスの組成探索

耐熱性と加工性に優れたガラス材料を開発するため、シリカ、ホウ酸、ナトリウム酸化物、アルミナを用いてAIが最適な組成を予測。パイレックスガラスに近い組成を数分で見つけ出しました。

参照元:富士通公式HP https://www.fujitsu.com/jp/solutions/r-and-d-support/product/konnavi/ ダウンロード資料より

他社がどのような材料や課題にマテリアルズインフォマティクス(MI)を活用しているかも知りたい方は、成功事例一覧をご覧ください。企業ごとの活用方法から、自社の材料探索に取り入れたい進め方を考える参考にできます。

リチウム電池用固体電解質の探索

AIを活用し、リチウム電池の固体電解質材料の探索を実施。AIが推薦する条件を基にした実験により、従来の約3倍の導電率を持つ組成を発見。実験回数が約1/5に削減され、開発期間も44%短縮されました。

参照元:富士通公式HP https://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/02/27.html

富士通のマテリアルズ・インフォマティクスが向いている課題

ここまでの提供サービスや導入事例を踏まえると、富士通のマテリアルズ・インフォマティクス(MI)は、複雑な組成条件や混合比の中から有望な候補を効率よく絞り込みたい企業に向いていると考えられます。デジタルアニーラやHPC、量子化学計算を組み合わせながら、膨大な探索条件を前倒しで検討しやすい構成になっているためです。

また、少ないデータでもAIで補完しながら材料探索を進めたい企業や、異分野の知見や研究・実験データを横断的に活用したい企業とも相性がよいでしょう。マテリアルキュレーション支援システムや混合物設計ナビ、電子実験ノートなどの情報からも、データ不足や知見の分散を前提にした支援が意識されていることが読み取れます。

さらに、試行錯誤型の開発から、原理に基づく開発へ移行したい企業や、シミュレーションや大規模計算も含めて材料開発を進めたい企業にも相談候補になりやすいと考えられます。富士通は、MIを「レシピ探求型」から「原理駆動型」へ転換する考え方として示しており、全固体電池界面の大規模分子動力学シミュレーションに関する発表からも、探索初期だけでなく動的特性の評価や界面解析まで見据えた技術展開がうかがえます。

予測や計算の結果を、次の材料開発に生かしたい方へ

富士通の組成探索やシミュレーションの紹介を読んで、「自社でも有望な材料候補を探したいが、解析結果から何を実験すればよいか判断できるだろうか」と感じた方もいるかもしれません。相談先を選ぶ際は、利用できる技術だけでなく、対象材料を踏まえた結果の解釈や、次に検証する実験条件の検討まで支援してもらえるかも確認しましょう。

本サイトでは、化学・素材、創薬、エネルギーの領域別に、マテリアルズインフォマティクス(MI)ベンダー3選を紹介しています。各社の得意領域や支援の特徴から、自社の材料や開発目標について相談したい企業を探す参考にしてください。

自社の材料や開発目標に合う相談先を探す、マテリアルズインフォマティクス(MI)ベンダー3選

富士通の企業情報

  • 企業名:富士通株式会社
  • 所在地:神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1
  • 公式HP:https://global.fujitsu/ja-jp
SELECTIONS
専門的な領域に強みを持つ
マテリアルズインフォマティクスの
ベンダー3選

専門領域を持っているMIベンダーを厳選しました。
自社の研究対象に近しい領域を専門としているMIベンダーの方が、
コミュニケーションにズレがなく、知見や実績も豊富な可能性があります。

化学・素材メーカーのアイコン
有機・無機化合物の
新素材・製品開発を行う
化学・素材メーカーの相談先
日立ハイテク
「化学・素材」領域に強い理由

化学・素材分野で数多くの開発を成功に導いた実績があります。

日立グループ全体の強みを活かして材料開発を総合的に支援できることから、早期の市場参入を可能にします。

製薬会社のアイコン
新薬候補の特定、
毒性予測など研究を行う
製薬会社の相談先
富士通
「創薬」領域に強い理由

富士通では、創薬に特化したプラットフォームを用意。特許読解、法規制物質チェックにも一貫して対応可能。

特定の材料開発プロセスではなく、創薬研究プロセス全体のDXが叶う点も魅力です。

エネルギー企業のアイコン
新エネルギー材料の
発見に注力する
エネルギー企業の相談先
伊藤忠テクノソリューションズ
「エネルギー」領域に強い理由

新しいエネルギー材料の特性を正確に予測する「Mat3ra」(旧Exabyte.io)プラットフォームを提供。

新しいバッテリー材料や軽量合金の開発をスピーディーに進められることが可能です。