マテリアルズ・インフォマティクスを活用した研究や開発事例など、新着情報(ニュース)を掲載しています。
ライオンが2023年6月13日にプレスリリースした研究事例です。ハミガキの組成開発にマテリアルズ・インフォマティクスを応用したところ、実験回数を大幅に削減し、想定の約半分の期間で開発することに成功しました。
具体的には、既にあるデータを起点として組成探索を行う機械学習手法「ベイズ最適化」を導入。研究員の知見も取り入れて、ハミガキの使用感と機能面の両方を叶える組成を少ない実験回数で絞り込む方法を確立しています。
日本特殊陶業が2024年6月13日に発表した新しい無鉛圧電材料の開発事例です。マテリアルズ・インフォマティクスを活用して、社内にあるデータを集約・最適化。データサイエンティストと熟練技術者が協力し合い、材料データと現場のノウハウを数値化した結果、126万通りの組み合わせパターンを550通りに絞り込むことに成功しました。その結果、わずか半年で目標性能を持つ新規無鉛圧電材料を開発しています。
Datachemical LABはサポートサイトやビギナーモードなどを備えた初学者でも直感的な操作で学べるデータ解析教育パッケージを無償提供しています。AI・機械学習によるデータ解析についての理解を深めることができ、大量のデータを活用して開発を効率化するMIを実践するためのツールとして活用可能です。
株式会社MORESCOでは、案件の増加やコロナ禍による在宅勤務により実験数の確保が困難となったことから、製品開発の効率化が求められました。そこで、研究開発部門におけるDXの一環として、2022年からMIの活用を開始。MIツールとしてmiHub®︎を導入した結果、実験の効率化と質の向上という成果が得られました。
現在は、開発者が主体的に機械学習を活用する文化を育てていく一環として、実験研究プロセスにMIを組み込む活動を行っています。
積水化学工業では、同社の独自MIアプリ「RASIN」の運用を正式に開始したことを2024年12月20日に発表しました。このRASINは、同社のMI専門部署が培ってきた技術を全ての研究開発者が活用できるようにしたものであり、プログラミングが不要なノーコードアプリとなっています。また、MIの活用にあたって専門家への相談や解析結果・改善に関する議論ができる窓口を含めたサポート体制の構築や、RASINを活用してMIの理論や実践について学ぶことができる教育プログラムの導入も行われています。
日立ハイテクと東京科学大学は、2025年1月28日に、独自クラウドサービス「ケミカルズ・インフォマティクス(CI)」を活用したPFAS(有機フッ素化合物)の迅速検出に関する共同研究を開始したことを発表しました。この研究では、ペプチド技術との組み合わせによって、分解しにくく環境や人体への蓄積が懸念されているPFASを簡便かつ効率的に検出する手法を検討する予定です。水道水汚染や健康被害につながるリスクを踏まえ、PFAS検出業務の効率化をめざすことで、より安全な水道水の提供や安心な暮らしに貢献していく狙いがあるとしています。
MIベンダーの中には、専門領域を持つ企業があります。各ベンダーが保有するデータの質と量は解析精度に大きく影響し、研究開発のスピード向上やコスト削減につながります。そのため専門領域で強みを持つベンダーのMIを選ぶことが重要です。
従来型の材料開発と比較し大幅な開発期間の短縮ができたMIの事例は国内外問わず多数報告されており、企業の研究開発プロセスを飛躍的に改善し、競争力を高めることができるため、MIを導入する価値は非常に高いといえます。ここでは国内の企業のMIの成功事例をご紹介します。
専門領域を持っているMIベンダーを厳選しました。
自社の研究対象に近しい領域を専門としているMIベンダーの方が、
コミュニケーションにズレがなく、知見や実績も豊富な可能性があります。
化学・素材分野で数多くの開発を成功に導いた実績があります。
日立グループ全体の強みを活かして材料開発を総合的に支援できることから、早期の市場参入を可能にします。
富士通では、創薬に特化したプラットフォームを用意。特許読解、法規制物質チェックにも一貫して対応可能。
特定の材料開発プロセスではなく、創薬研究プロセス全体のDXが叶う点も魅力です。
新しいエネルギー材料の特性を正確に予測する「Mat3ra」(旧Exabyte.io)プラットフォームを提供。
新しいバッテリー材料や軽量合金の開発をスピーディーに進められることが可能です。