マテリアルズインフォマティクス ベンダー特集
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古河電気工業のマテリアルズインフォマティクス(MI)活用による成功事例

目次

材料開発でMI(マテリアルズインフォマティクス)を検討するとき、最初にぶつかりやすいのが「データが散らばっていて、モデル以前に整えるのが大変」という壁です。古河電気工業の成功事例は、MIモデル開発と並行してデータ収集・蓄積の仕組みづくりまで進め、現場で回る形に落とし込んだ点が参考になります。この記事では、古河電気工業が抱えていた課題、MI導入で出した成果、今後の展望を解説します。

1分でわかる要約

POINT 1

マテリアルズインフォマティクス(MI)は、過去の実験データなどをもとに、材料探索の「当たりを付ける工程」を前倒しする考え方です。試作・評価の回数を減らしやすくなり、開発のスピードアップが期待できます。

POINT 2

一方で、実務では「Excelの形式がバラバラで前処理が大変」「解析が特定担当者に寄る」といった運用課題が起きがちです。古河電気工業では、Modeloyの伴走を活用し、モデル開発と運用の型づくりを同時に進めました。

POINT 3

さらに、研究データの収集・蓄積(Lab Bank等)まで視野に入れることで、データが散逸しにくくなります。結果として、次のテーマでもMIを回しやすくなり、「単発で終わらないMI活用」につながります。

専門的な領域を持つMIベンダーを選ぶ重要性

MIは、材料テーマや現場の実験フローによって、必要なデータの揃え方や分析の進め方が変わります。モデル構築だけでなく、データの受け渡し・整形・蓄積まで含めて運用設計できるかが成果を左右します。

そのため、自社の材料領域に近い実績があり、現場の業務に合わせた体制づくりまで伴走できるMIベンダーを選ぶことが重要です。次のセクションでは、候補を絞り込みたい方向けに「専門的な領域に強いMIベンダー3選」をご紹介します。

古河電気工業が抱えていた課題

材料開発では、材料の配合や条件を振りながら、試作と評価を何度も繰り返して最適解に近づけます。古河電気工業でもMI活用を進める中で、特に負担になりやすかったのが「データ整備の工数」でした。

同社のDX推進組織(DXIC)には各部門からデータが集まりますが、整理されていないExcelのまま受領するケースもあり、まずは解析に使える形へ整える必要がありました。こうした前処理は、案件が増えるほどボトルネックになりやすく、少人数体制では継続的な推進が難しくなります。また、MIを回すためのプログラム操作が現場に浸透しないと、解析が特定担当者へ寄り、属人化しやすい点も課題になります。

MI導入で出した成果

古河電気工業はModeloyの伴走支援を活用し、材料開発テーマに対してMIの機械学習モデル開発を推進しました。ポイントは、単発の分析で終わらせず、データ整形〜学習〜提案の流れを再利用しやすい形へ整えたことです。これにより、テーマや案件が増えても、毎回ゼロから作り直す負担を抑えやすくなります。

また、MIの提案はそのまま採用するのではなく、現場知見で妥当性を確認しながら使うのが現実的です。たとえば、特性は良いが外観や加工性の観点で採用しづらい候補が出た場合でも、提案を起点に条件を調整して探索を進めることで、試作回数を減らす方向へつなげられます。こうした使い方が定着すると、探索の途中工程をMIで短縮し、開発期間の圧縮が期待できます。

さらに同社の取り組みでは、データ統合基盤や分析基盤の整備も含め、特性予測AIモデルの活用により設計効率の向上(20〜50%アップ)を狙う方針も示されています。MIを「モデル構築」だけでなく、開発プロセス全体の改善として捉えている点が、成功事例としての学びになります。

今後の展望

今後の焦点は、MIを「できる人が頑張る活動」から、現場が参加しやすい仕組みへ広げられるかです。材料開発の現場は日々の業務で多忙になりやすく、MIを独学で進めるのが難しいケースもあります。そのため、支援体制と入口設計が重要になります。

たとえば、相談会や同席支援、簡易アンケートなど、参加のハードルが低い導線を用意し、「その段階からでも始められる」状態を作ることが効果的です。あわせて、研究データを溜めて次に使える形へ整えることで、MIの価値が積み上がりやすくなります。MIで生まれた余力を、検証設計や新規テーマ探索など付加価値の高い活動へ振り向けられると、導入効果も社内で説明しやすくなります。

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