さくらインターネットは、材料科学とデータ科学を組み合わせたマテリアルズインフォマティクス(MI)の研究と、研究データを活用するための開発を進めています。2026年3月2日には、実験科学者向けノートアプリケーション「eureco」のオープンβ版を提供開始しました。
本ページでは、さくらインターネットのマテリアルズインフォマティクス(MI)研究と研究データ基盤開発について、課題、施策、成果を整理します。
材料開発では、実験データやシミュレーションデータを活用し、材料の性質や候補を検討するマテリアルズインフォマティクス(MI)研究が進められています。
一方で、研究データを活用するには、データの内容だけでなく、どのような条件や手順で得られたものなのかを記録しておく必要があります。
研究現場では、実験手順や取得データが分散・属人化しやすく、記録の検索性や再利用性に課題があります。
また、結晶構造を2次元のグラフで表現する場合、本来の3次元情報の一部が失われる可能性があります。さくらインターネットは、こうしたマテリアルズインフォマティクス(MI)研究上の課題に対して、データの構造化と3次元情報を扱う予測手法の研究に取り組みました。
参照元:さくらインターネット研究所「研究領域」(https://research.sakura.ad.jp/research-areas)
さくらインターネット研究所は、京都大学複合原子力科学研究所と、結晶構造の3次元情報を扱う物性予測手法を共同研究しました。
この研究では、結晶構造を四面体メッシュで表現し、深層学習と組み合わせて物性を予測する手法を提案しています。
京都大学側は、材料科学に関する研究課題の定義、データの作成・前処理、結果の考察などを担当しました。
さくらインターネット研究所は、機械学習・深層学習を用いたデータセットやモデルの設計・開発を担当しています。
材料科学とデータ科学の専門性を分担しながら研究を進めた点が、この共同研究の特徴です。
参照元:さくらインターネット「マテリアルズ・インフォマティクスに関する共同研究論文がIEEE ICMLA 2023で採択」(https://www.sakura.ad.jp/corporate/information/newsreleases/2023/10/12/1968213836/)
さくらインターネット研究所は、科学論文から材料の合成手順を抽出し、材料・操作・条件の関係を有向グラフで表現できるデータセット「MatPROV」を開発しました。
この研究では、実験手順を構造化データとして記録する方法と、自然言語で書かれた実験手順を大規模言語モデルで構造化データへ変換する方法が検討されています。
MatPROVに関する研究論文は、NeurIPS 2025併催のAI4Mat Workshopに採択されました。
参照元:さくらインターネット「NeurIPS 2025のAI4Mat Workshopにて論文採択」(https://www.sakura.ad.jp/corporate/information/newsreleases/2025/11/10/1968221796/)
研究データを記録・整理するサービスとして、実験科学者向けノートアプリケーション「eureco」を開発しました。
eurecoでは、実験条件、手順、結果、考察、写真、データなどを一つのノートに集約し、データや実験プロセスを関連付けて記録できます。
また、ノート上でデータを加工・可視化できる機能も提供されています。
eurecoはマテリアルズインフォマティクス(MI)の予測モデルそのものではなく、実験研究において研究データを記録・構造化・再利用するためのサービス開発事例です。
eurecoは、研究員の構想から始まり、社内ビジネスコンテストを経て、オープンβ版の提供開始に至りました。
参照元:さくらインターネット「eurecoのオープンβ版を提供開始」(https://www.sakura.ad.jp/corporate/information/newsreleases/2026/03/02/1968223731/)
京都大学との共同研究論文は、IEEE ICMLA 2023のメインカンファレンスに採択されました。
結晶構造の3次元情報を四面体メッシュで表現し、深層学習による物性予測と組み合わせる研究内容が評価されています。
材料の合成手順を構造化するMatPROVに関する研究論文は、NeurIPS 2025併催のAI4Mat Workshopに採択されました。
これは、科学文献から材料知識を抽出し、AIで扱える研究データ基盤へつなげる研究成果です。
eurecoは、研究員の構想、社内ビジネスコンテスト、開発を経て、2026年3月2日にオープンβ版の提供開始に至りました。
オープンβ版では、記録の構造化やデータの一元管理などの基本機能が無料で提供されています。正式版の提供については、利用者から得られたフィードバックを反映して進める予定とされています。
これらは、さくらインターネットのマテリアルズインフォマティクス(MI)研究および研究データ活用サービスの開発上確認できる成果です。
参照元:さくらインターネット「eurecoのオープンβ版を提供開始」(https://www.sakura.ad.jp/corporate/information/newsreleases/2026/03/02/1968223731/)
マテリアルズインフォマティクス(MI)では、予測モデルを構築するだけでなく、学習に使うデータの意味や取得条件を整理しておく必要があります。
さくらインターネットのマテリアルズインフォマティクス(MI)の取り組みでは、結晶構造を扱う予測手法の研究と、実験手順を構造化するデータ基盤の研究が並行して進められています。
共同研究では、材料科学の研究課題やデータの解釈を京都大学が担当し、データセットや機械学習モデルの設計・開発をさくらインターネット研究所が担当しました。
マテリアルズインフォマティクス(MI)を進める際は、材料に関する課題設定、データ準備、モデル構築、結果の解釈をどの専門家が担うのかを整理することが重要です。
MatPROVの知見は、電子実験ノートにおける実験手順の記録・構造化を高度化する基盤技術として応用可能です。
eurecoでは、研究手順の構造化や記録の再利用性向上などを今後の計画として挙げています。
そのため、研究成果を研究データ活用サービスへ応用する方針として紹介できます。
eurecoでは、今後の計画として、研究不正防止機能、実験の再現性向上、記録の再利用性向上、AIとの統合などが挙げられています。
これらは今後の計画として紹介されている内容です。
また、オープンβ版の利用者から得られたフィードバックを反映し、正式版の提供を予定しています。正式版の提供時期や機能については、今後の発表を確認する必要があります。
2026年3月2日時点で、保存先としてGoogleドライブに対応しています。
参照元:さくらインターネット「eureco」(https://www.sakura.ad.jp/eureco/)
さくらインターネットの事例からは、マテリアルズインフォマティクス(MI)を予測モデルだけでなく、材料科学・データ科学の共同研究や研究データの構造化と組み合わせて進める考え方が読み取れます。
自社で検討する際は、対象とする材料、データ、研究工程を整理し、予測手法だけでなく、データの残し方や専門人材の役割まで確認することが重要です。
専門領域を持っているMIベンダーを厳選しました。
自社の研究対象に近しい領域を専門としているMIベンダーの方が、
コミュニケーションにズレがなく、知見や実績も豊富な可能性があります。

化学・素材分野で数多くの開発を成功に導いた実績があります。
日立グループ全体の強みを活かして材料開発を総合的に支援できることから、早期の市場参入を可能にします。

富士通では、創薬に特化したプラットフォームを用意。特許読解、法規制物質チェックにも一貫して対応可能。
特定の材料開発プロセスではなく、創薬研究プロセス全体のDXが叶う点も魅力です。

新しいエネルギー材料の特性を正確に予測する「Mat3ra」(旧Exabyte.io)プラットフォームを提供。
新しいバッテリー材料や軽量合金の開発をスピーディーに進められることが可能です。